バーベルカール

腕を太くする、力こぶ作りの中心種目

効く筋肉

上腕二頭筋 が主働で、その下にある 上腕筋 と前腕の腕橈骨筋も働きます。両手で1本のバーを扱うため、カール系のなかで最も重い重量を扱えます。

やり方

肩幅で下から握り、脇を軽く締めて立ちます。肘の位置を体側に固定したまま吐きながら曲げ、前腕が垂直を越えるあたりまで挙げます。下ろしに2〜3秒かけ、10回を3セット行います。

フォームの注意

反動で腰を反って挙げると、負荷が二頭筋から逃げるうえ腰を痛めます。壁に背中とお尻をつけて行うと反動を消せます。下ろし切る手前で止めて張力を保つと効き方が変わります。

バリエーション・代替

手首が痛むなら波型のEZバーに替えると負担が減ります。左右差が気になる人は ダンベルカール、フォームが崩れやすい人は プリーチャーカール のほうが 狙いを外さずに続けられます。

解説動画: 二頭筋に負荷を乗せ続けるバーベルカール(寺島遼のフォーム)/寺島遼 / Ryo Terashima

概要:ダンベルよりバーベルが乗せやすい: スタンディングのダンベルカールは、肘を前に出すタイミングが早いと重さが乗らず力が抜け、肩の動きが優先されやすい。その点バーベルなら肘が早く出てもある程度重さをかけられるため乗りやすいというのが本人の考え。狙いは二頭の外側と上腕筋をメインに使うことに置いている。

逆ハの字で握り、手首で収縮をかける: 人差し指と親指が上になる位置で逆ハの字に握る。下ろしている時に手首が反ったままカールに入ると肩を痛めるので、前腕を少し入れておく。上げ切りでは最後まで握り込まず、逆に手首を反らせるように押し込んで収縮を置き、下ろすときも手首から曲げていく。これで肩関節の負担が減る。

あえて少し丸めて、肘を前に出す: 一般的なバーベルカールは胸を張って体をまっすぐにするが、彼は上体をやや丸め、頭を前に出した姿勢で行う。上げたときにぎりぎりを狙って肘を少し前に出すことで、二頭を使っている時間を伸ばせるという狙い。真下まで入り込まないので負荷は抜けないと説明している。

重量と回数の目安: 重量は25キロほど、10回3セット程度と少なめ。手首の動作を入れる分だけ効いている割合が上がり、そのぶん重さは持てなくなる。プリーチャーカールなど完全収縮をかける種目の後、2〜3種目目に組み込むことが多いという。

二頭は重さを追わない: 二頭は代償動作が大きい部位で、考えずにカールしていると気づけば僧帽筋が入ってしまう。無理に重い重量を持つと壊してしまう人が多く、他の選手も軽い重量で仕上げていると触れる。効かせ方という技量を意識し、重量は無理に使わないのが大前提だとまとめている。

解説動画(海外・英語): How To Build Huge Biceps: Optimal Training Explained/Jeff Nippard

肘を曲げる主役は二頭筋ではない: カールで肘を曲げる仕事の主役は、通説に反して二頭筋の下にある上腕筋(ブラキアリス)。表からは見えないが、ここが大きくなると上腕二頭筋を上へ押し上げて腕が太く見える。もちろん上腕二頭筋も肘をまたぐので大きく働き、前腕の腕橈骨筋がそれを助ける。加えてカールでは手のひらを上に返す動き(回外)も起きていて、これは二頭筋と前腕の回外筋の仕事。ここが重要で、上腕筋は回外に関与できないので、回外を効かせるほど二頭筋が負担を引き受ける。横から見ると肩関節の屈曲も少し起きているが、これは問題ない(二頭筋の長頭は肩もまたぐので、フロントレイズのように腕を上げる動きを助ける)。

重量ではなく「二頭筋を締める」ことを狙う: バーベル・EZバー・ダンベルはほぼ同格だが、バーベルの利点は片側2.5ポンド(約1.1kg)ずつという小さな刻みで重量を伸ばせること。回数は8〜20回の軽〜中重量。重くしすぎると他の筋肉が手伝って持ち上げる形に崩れる。Schoenfeldらの8週間の研究では、重量を動かすことではなく二頭筋を締めることに意識を向けたグループのほうが、筋肥大が明らかに大きかった。握りは肩幅程度が快適な人が多い。狭すぎるグリップは可動域が減り、ある資料では肩幅と比べて二頭筋の筋電位が13%低下する。長頭(力こぶの山)を狙うなら、Brad Schoenfeld博士の勧めとして上腕を体より後ろに置く種目(インクラインダンベルカールや、体の後ろでケーブルを引くカール)を加えるとよい。

握りをゆるめ、小指側で押し、弧を描いて上げる: ベンチプレスと違い手と指の握りは意図的にゆるめる。前腕の肘屈筋の関与が減って二頭筋の関与が増える。肘は体側に軽く寄せ、動作の直前に腕を10度ほど前へ出し、同時に肩甲骨を後傾させる(二頭筋の短頭は肩甲骨の前側に付くので、後傾させると初めから張力が乗る)。人差し指・中指ではなく、小指と薬指に圧をかけると手首がより回外して二頭筋に寄る。軌道は真上に引くのではなく、前へ弧を描くように振り出す。同じ重量でも、肘の回転軸とバーの重心の距離が伸びるぶん発生するトルクが大きくなり、二頭筋の張力が増える。手首は最後までニュートラルに保ち、手首を巻き込まない。上級テクニックとしてトップで手首を少し反らせると前腕の関与をさらに外せるが、手首が痛むならやらない。膝・股関節・腰は動かさない。

下ろす局面と、最も多い失敗: 降ろすときも弧を描き、握りはゆるめたまま、二頭筋を積極的に使って耐える。筋肥大においてエキセントリックは挙上と同等かそれ以上に重要なので、力を抜いて落とすのは損。作者はボトムで毎回リセットして息を入れ直すほうを好む(姿勢と体幹の張りが戻り、結果として扱える総重量が増える)。最も多い失敗はやはり重すぎること。反動を使うチートカール自体は否定しないが、気づかないうちに「漸進的過負荷」ではなく「漸進的なチート」になり、二頭筋の張力はむしろ下がっていく危険がある。肩の屈曲10〜15度までは動作の助けとして良いが、股関節・膝・足首が参加し始めたら別の種目になっている。もう一つ多いのが回外を能動的に行っていないことで、逆手で握っているだけで小指・薬指をバーへ押し込んでいないと、二頭筋よりも前腕が働くカールになる。