読書
頭を使う
他人の頭の中で、数時間過ごせる
どんな趣味?
ページをめくって、書いた人の考えを順にたどります。映像より遅い代わりに、立ち止まって考え直せるのが読書の性質で、分からない段落を三度読む自由があります。物語なら他人の人生を数時間生き、実用書なら他人が何年もかけた経験を受け取ります。一日十五分でも月に一冊は読める計算になり、生活のどこにでも差し込めます。
始めるのに要るもの
文庫が一冊700〜1千円、単行本なら1千5百〜2千円台。図書館を使えば0円で、予約さえすれば新刊も順番で回ってきます。電子書籍で読むなら専用端末が1万〜2万円、月1千円前後の読み放題という選び方もあります。最初に要るのは本棚でも端末でもなく、一日のどこに読む時間を置くかという段取りです。
最初の一歩
今週末は最寄りの図書館か書店へ行き、読み切れそうな薄い本を二冊借りるか買ってください。厚い名作から入ると高い確率で挫折します。加えて、寝る前か通勤の十五分だけを読む時間に決めます。合わない本は途中でやめてよく、ハードルを下げるほうが結局たくさん読めます。
続けるとどうなるか
月に数冊のペースが続くと、一冊の中に前に読んだ本の話が出てくるようになります。ここから本が線でつながり、著者をたどる、参考文献をたどる、という読み方が始まります。読んだ内容を短く書き留めると記憶の残り方が変わり、自分の考えの材料が増えていく実感があります。読書会に出る人や、文章・ブログで書く側へ回る人もいます。
向き不向き・注意
積ん読は必ず増えます。買う速度は読む速度より速く、置き場所と費用が静かに膨らみます。スマホを手放せない人は、そもそも十五分の集中が続かないところから始まります。目の疲れや姿勢の悪化もあり、寝る前の明るい画面は睡眠の質を下げやすい点にも注意してください。成果が人に見えにくいので、誰かに認められたい動機だけでは物足りない趣味です。
解説動画: 本を開く前に8割決まる、挫折しない本の選び方/ゆる言語学ラジオ
概要: 読書が苦手な人に向けて、本を開く前の段階を中心に扱う回。冊数を誇る話ではなく、なぜ勧められた本で挫折するのか、どう選べば読み切れるのか、読む前に何を用意しておくと頭に入るのかを、読めない側の聞き手を交えた対談で話している。ページを開く前に8割が決まっているという立場に立った内容になっている。
読書筋力: 本には読むのに必要な体力のようなものがあるのに、勧める側はその本がどれくらいの力を要するかまで伝えていないと指摘している。だから初心者ほど勧められた本で挫折し、自分には向いていないと思い込む。翻訳書はさらに2割5分ほど負荷が高いとも言い、慣れないうちは勧められた本を避けるよう勧めている。
選び方: 基準の第一は読み終われそうな薄さ。中高生向けのレーベルは読者を侮っておらず大人が読んでも面白いし、絵本から入るのも本気で勧めている。実際、自分たちも調べ物は簡単な本から始めるという。分厚さや字組みは開かないと分からないので実店舗で選ぶ方が外れが少なく、新刊は毎日200点ほど出ているので合う本は必ずあるとしている。
読む前の準備: もう一つの柱が、読む前に知りたいことを用意しておくこと。日々の疑問や仕事や子育ての悩みを種として育てておき、膨らんだところで本に当たると、何でもない記述まで面白く感じて頭に残る。この本に何が書いてあってほしいかというゴールを立ててから開くのが効くという話をしている。
続けるには: 値段については、詳しい人に直接聞きに行く費用と比べれば1000円や2000円は安いと考えているという。1時間4000円の講演と比べても得だという見方も示す。読む時間帯にも触れ、頭にタスクが載っていない朝は難しい本、疲れた日は軽い本と、難易度の違う本を何冊か置いて使い分ける方法を挙げている。