そぎ切り
切る
そぎ切りは、包丁を寝かせて薄く削ぐように切る切り方です。厚みが不揃いな食材でも、火の通りと断面の大きさをそろえられます。
使いどころ
鶏むね肉やしいたけ、白身魚など、厚みが不揃いな食材に用いる切り方です。刺身のように断面を大きく見せたいときや、厚みを薄く均一にしたいときに選びます。炒め物や鍋物で鶏むねを使うときにも役立ち、火の通りが早くなるぶん加熱時間を短く保てるという利点もあります。きじまごはん(料理家きじまりゅうた)は、鶏むね肉は部位ごとに厚みと繊維の向きが変わるため、そぎ切りで角度を変えながら切ると大きさを揃えやすいと説明しています。
やり方
包丁を寝かせて30度前後の角度で当て、まな板と平行に近い角度を保ったまま、手前から奥へ引くように削ぐように切ります。一定の角度を保つことが最優先で、角度がぶれると厚みが揃いません。慣れないうちは食材をしっかり押さえ、包丁を動かす速度を一定に保つと安定します。刃をスライドさせながら引く動きは、垂直に押し込むだけの動きより小さな力で切れ、切り口も傷みにくいと、刃物の切れ方を扱った工学の論文(Atkins, 2016)は述べています。
コツ・注意
刃先を寝かせすぎると指に当たる角度が浅くなり、力が入ったときに滑りやすくなります。刃を持つ手より、押さえる手の位置を先に決めてから切り始めると安全です。厚みが揃うと火の通りが均一になります。加熱しすぎや生焼けを防ぐことにもつながり、繊維に沿うか断つかと組み合わせると食感の狙いもさらに定まります。切り口を大きく見せたい料理では、角度を寝かせるほど断面が広くなるという関係も覚えておくと応用が利きます。
出典
- 論文・英語 Atkins AG(2016) Slice-push, formation of grooves and the scale effect in cutting
- 動画 きじまごはん【料理家きじまりゅうた公式チャンネル】 【鶏むね肉の切り方】理屈がわかる下処理テクニック!! 肉の繊維の向きに注目! 特にそぎ切りは覚えて!