ドライブの全体像
行き先・道中・休憩・同乗者が、1日の満足にどう効くかを一望する。
ドライブの満足度は、行き先だけで決まるものではありません。行き先・道中の過ごし方・休憩・同乗者との関わりという四つの釣り合いが、1日の満足を左右します。計画の順番は、行き先と到着までの時間を決め、次に道中の過ごし方を決め、そのあとで休憩の間隔と同乗者の役割を固める、という流れが組み立てやすいです。
道中の過ごし方は、話す・聴く・眺めるの三つに分けられます。話すほうは哲学的な問いで語り合うやもしもトークで妄想するのような、答えを急がない話題が向いています。聴くほうはポッドキャストを聴くやラジオを聴くのように、会話をしなくても成立する受け身の時間です。眺めるほうは車窓の景色をただ眺めるや田園・里山をゆっくり走るのように、何もせず景色だけを味わう過ごし方です。携帯電話の会話だけでなく、同乗者との会話も運転の反応や車線保持を中程度悪くします(93本・4,382人を集めた2018年のメタ分析)。盛り上がりそうな話題は、運転者が答える役から外れるか、停車中に回すのが無難です。
しりとりや山手線ゲーム、県外ナンバー探しのような言葉遊び・観察ゲームも同じで、出題や判定は同乗者に任せ、運転者は短く答えるだけにとどめます。子供を飽きさせない移動では、話す・聴く・眺めるを一つに絞らず、信号待ちや渋滞では言葉遊びに、流れのよい区間では景色にと、場面で切り替えるのが続けやすいです。
休憩は、眠くなってから入れるのでは遅いです。冷気やカーラジオで眠気をしのげるのは短時間だけで、30分の休憩に15分未満の仮眠かカフェイン約150mgを組み合わせると眠気に効果的です(1999年のレビュー)。休憩を楽しみに変えるなら、道の駅めぐりやサービスエリアグルメめぐり、スタンプ集めのように、立ち寄り先を先に2〜3箇所調べておくと、休むタイミングに迷いません。
初めてのドライブでやりがちな失敗は三つあります。行き先や寄り道を詰め込みすぎて休憩が後回しになること、眠気を感じてから休もうとして遅れること、そして会話が途切れる沈黙を怖がって無理に話題を探すことです。沈黙は無心で運転に集中するや内省する時間にするのように、それ自体を過ごし方として選べば怖がる必要がなくなります。
