最初の行き先を決める
片道1時間ほどで、寄り道を1つ入れる計画の立て方。
初めてのドライブで最初に決めるのは、行き先そのものより「片道どれくらい走るか」という時間の枠です。計画を立てる人は、過去に似た外出にかかった時間ではなく、これから描く予定のとおりに進む場面を思い浮かべて見積もる傾向があり、その結果、作業や移動にかかる時間を実際より短く見積もりやすいとする研究があります(Buehler・Griffin・Ross、1994年)。行き先を決める前に、片道1時間ほどという控えめな枠を先に置いておけば、予定より手前で収まり、あとに回す時間の余裕が生まれます。
枠が決まったら、その範囲に収まる行き先を1つと、寄り道を1つだけ選びます。候補を何個も並べて当日に選ぶのではなく、出発前に両方を1つに絞るのがコツです。選べる数が増えるほど、どれを選ぶかの難しさや情報の非対称性が高まり、決めること自体をやめてしまう「決定麻痺」が起きやすくなるとする調査があります(Adriatico ほか、2022年)。消費者の買い物を調べた結果なので、ドライブにそのまま当てはまるとは言えませんが、迷う材料を増やさない組み立てには使えます。
寄り道の選び方は、走る道の種類で決まります。一般道を走るなら、ルート沿いにある道の駅めぐりがもっとも手間がかかりません。休憩の施設を兼ねているので、調べるのは営業時間だけで済みます。高速道路を使うなら、サービスエリアグルメめぐりに替えても同じ考え方が使えます。景色や撮影が好きなら、写真スポットを巡る旅で1箇所だけ目当てを決めておく形も向いています。スタンプを集めるのが好きな人は、スタンプ集めを目当てにするのも1つの手ですが、最初の1回はどれか1つに絞るのが無難です。
初めてのドライブでやりがちな失敗は、行き先と寄り道の候補をいくつも残したまま出発してしまうことです。当日に選ぶ場面が増えるほど、信号待ちや休憩のたびに決め直す手間が増え、見積もりが甘くなりがちな移動時間と重なって、帰りの時間が後ろにずれていきます。前の晩までに行き先と寄り道をそれぞれ1つに決め、当日は決め直さないと決めておくと、運転そのものに気を配る余裕が残ります。
