炊き上がったら10分蒸らす?

炊く

「10分蒸らす」は、一律の決まりではなく条件によって変わります。

図: 炊飯の加熱の時間配分

農林水産省の区分。温度上昇 約10分・沸騰 約5分・蒸し煮 10〜15分で、後ろ2つの合計が「98℃以上で約20分」にあたる。蒸らしの約10分はこの合計に含まない。

言われていること

炊き上がったら、10分ほど蒸らす、と言われています。スーパーJチャンネル(2024年6月)は、炊飯器で炊いたあと茶碗によそう前に10分ほど待つと、水分が中まで行き渡りふっくらすると説明しました。英語の解説(SAMUKICHI)では、火を止めたあと、ふたをしたまま15分置く手順を示します。10分と15分で、言われている長さが違います。

測るとどうか

1988年の報告(貝沼やす子ら)は、蒸らさない飯と15分蒸らした飯を比べ、15分の飯は粒の中心と外周の糊化度がほぼ同じで、官能検査では蒸らさない飯より好ましいと評価されました。1989年の報告(貝沼・江間)は、厚手鍋と薄手鍋で消火後の温度を測り、薄手鍋は消火後の温度低下が急でした。同じ報告では、蒸らさない飯の脱水率が高く、かたさは蒸らしで和らぐ傾向がありました。

誰が・何を・どう測ったか

1988年の報告は、要旨で読んだ範囲では、蒸らしなし・15分の2条件を比べています。米の品種・量と官能検査の人数は、要旨からは確かめられませんでした。1989年の報告は、厚手鍋と薄手鍋の2種類で、加熱を延ばした飯と蒸らしの時間を比べています。読んだ2報の要旨には、炊飯器で合図のあとに蒸らした飯を測った結果はありませんでした。

だからどうする

炊飯器なら、炊き上がりの合図のあと茶碗によそう前に10分ほど置くとふっくらすると、プロの炊き方の紹介(スーパーJチャンネル)が勧めています。鍋で炊くときは火を止めてから10〜15分が目安です。英語の解説(BBC)は、沸騰後10分煮てから火を止め、さらに5分置いてから出す手順を示します。炊飯器の合図のあとの蒸らすを、水分や硬さまで測った資料はこの回には見当たりませんでした。

まだ分かっていないこと

炊飯器で炊き上がりの合図のあとさらに10分置いた場合の水分や硬さを測った資料は、この回に読んだものにはありません。1988年の報告は、蒸らしなしと15分を比べ、10分の結果は要旨にありません。蒸らしを何分にすると水分がいつそろうかを時間ごとに示した資料も、読んだ範囲では見つかっていません。読んだ資料には、鍋の厚みの結果を炊飯器の内釜に当てはめたものはありません。

出典

  1. 公的機関 農林水産省 米の調理特性
  2. 論文 貝沼やす子, 江間章子, 関千恵子(1988) 米の調理に関する研究(第6報)炊飯条件としての蒸らしの効果
  3. 論文 貝沼やす子, 江間章子(1989) 米の調理に関する研究(第7報)炊飯における蒸らし中の温度の影響
  4. 動画 ANNnewsCH(2024) お米“本当に美味しくする”炊き方 プロ推薦!ポイントは“少し待つ”【スーパーJチャンネル】(2024年6月20日)
  5. 動画・英語 SAMUKICHI -Japan food studio- Stop Cooking Rice This Way—Do This for Fluffy Rice Every Time | Japanese Chef
  6. 動画・英語 BBC How you've been cooking rice WRONG your entire life - BBC