炊き上がったら10分蒸らす?

炊く

追加で待つかどうかは、鍋か炊飯器かで変わります。蒸らしという工程そのものは必要ですが、炊飯器は炊飯モードに蒸らしを含んでいます。

図: 炊飯の加熱の時間配分

農林水産省の区分。温度上昇 約10分・沸騰 約5分・蒸し煮 10〜15分で、後ろ2つの合計が「98℃以上で約20分」にあたる。蒸らしの約10分はこの合計に含まない。

言われていること

炊き上がりの合図が鳴っても蓋を開けず、10分ほど蒸らしてから開けるとよい、と料理本やレシピサイトが書いています。蒸らしのあいだに水分が行きわたる、というのが添えられる説明で、蒸らすという工程名とほぐす手順が、ひとつづきの作法として広まっています。土鍋の説明書には10〜15分という長さが書かれ、炊飯器の手順としても同じように書かれることがあります。

測るとどうか

工程としての蒸らしは必要です。檜作進 1970 は加熱直後の10〜15分の蒸らしを炊飯の必要条件とし、この間に水分の均一化が進むとしています。ただし象印マホービンは炊飯モードに蒸らしを含むと説明し、三菱電機は合図が鳴ったらすぐ蓋を開けてかきまぜるよう案内しており、炊飯器にまかせる場合に待つ理由は残りません。

誰が・何を・どう測ったか

檜作進 1970(調理科学)が工程側の根拠で、農林水産省も蒸らし期およそ10分の高温維持で水分の均一化が進むとしています。手順側はメーカー2社の案内で、炊飯モードの中身に踏み込んだ第三者の実測は見当たりません。器具ごとの蒸らし時間を並べた資料も、食味官能試験で待ち時間を条件にした公開例も確認できていません。

だからどうする

炊飯器なら合図が鳴った時点で蒸らしは終わっているものとして扱い、すぐ開けてほぐす。鍋で炊く・土鍋なら火を止めてから10〜15分を自分で計ります。どちらか一方の作法をもう一方へ持ち込むと、べちゃついた状態か炊きムラが出た状態に寄るので、使っている器具で手順を分けます。取扱説明書に蒸らしの記載があるかを一度確かめておくと迷いません。

まだ分かっていないこと

炊飯器で合図のあとさらに10分置いた場合に、水分の分布や硬さがどう変わるのかを測った公開データは見当たりません。機種ごとに内蔵の蒸らし時間がどれだけ違うのかも公表されておらず、食味官能試験やテンシプレッサーで比べた例も確認できていません。水分の均一化がいつ終わるのかを示した資料も見つかりませんでした。