はちみつを入れて炊くと甘くなる?
炊く
甘くなるかを比べた研究は見当たりません。対照を置いた比較がない一方、はちみつを加えて炊いたものを1歳未満の乳児に与えてはいけない、という注意が別にあります。
言われていること
米に小さじ1ほどのはちみつを加えて炊くと甘みが出てつやよく仕上がり、冷めてもパサパサになった状態になりにくい、と生活情報サイトやはちみつを扱う販売サイトが紹介しています。理由としては、はちみつの酵素がでんぷんを分解する、果糖が水を抱えこむ、といった説明が炊飯器にまかせる手順と一緒に添えられます。
測るとどうか
加えた場合と加えない場合を並べて比べた査読つきの報告は見当たりません。糖を加えると老化(β化)が抑えられるという方向自体は語られますが、はちみつでの数値は確認できていません。一方、ボツリヌス菌の芽胞は120℃で4分以上の加熱でなければ死滅せず、100℃前後にとどまる炊飯では残ります。糖の添加そのものは砂糖の例で語られており、はちみつでの実測ではありません。
誰が・何を・どう測ったか
効果側の出どころは生活情報サイトとはちみつを扱う販売サイトで、対照を置いた実験の記載がありません。安全側は厚生労働省と消費者庁が出している乳児ボツリヌス症の注意喚起で、こちらは加熱の温度と時間まで示されています。三点識別試験法のようにはちみつの有無を伏せて評価した公開例も、食味官能試験の記録も見つかりませんでした。
だからどうする
試すのは自由ですが、はちみつを入れて炊いたごはんは1歳未満の乳児に与えないでください。取り分けの可能性がある家庭では、最初から入れない選択をします。甘みやつやを求めるなら、浸す時間を30分から60分確保して吸水を進めるほうが、条件と結果を自分の台所で確かめられます。加えるとしても小さじ1程度から始め、味の変化を書き留めておきます。
まだ分かっていないこと
加える量・加える時点・炊き上がりの水分や硬さを測った公開データは見当たりません。糖の添加が老化(β化)をどの程度遅らせるのかも、はちみつという形では確認できていません。テンシプレッサーで硬さを比べた例も、冷凍したごはんがパサつく場面での検証も見つかりませんでした。はちみつの種類による違いも調べられていません。