アルカリイオン水で炊くとおいしい?

炊く

pHが高い水では、黄色くなってべたつきます。米のフラボノイドが反応するためで、メーカーはpH9未満の水を使うよう案内しています。

言われていること

整水器の案内や販促の記事で「アルカリイオン水で炊くとふっくら甘くなる」と語られます。炊飯水のpHを上げることが良い方向へ働くという前提が置かれ、還元水素水も同じ扱いで紹介されることが多く、水の硬度の話と混ざったまま伝わっています。炊飯には軟水でなければいけないと同じ場面で並べられることもあります。

測るとどうか

pHが高い水では米のフラボノイドが反応して黄色くなり、べたつきます。このためメーカーはpH9未満の水を使うよう案内しています。黄色くなった状態はこの反応として説明され、べちゃついたと同時に出るところまで含めて、狙いとは逆向きの結果になります。味を良くするために上げたpHが、見た目と食感の両方に出ます。

誰が・何を・どう測ったか

パナソニックの案内(pH9未満の水を使う)によります。日本調理科学会誌には炊飯水のpHと物性・初期老化を扱った研究があり、pH3およびpH9の緩衝液で付着性の増加と老化(β化)の抑制が報告されています。ただし研究が扱ったのは緩衝液であって、家庭の飲料水にそのまま当てはめられるかは確認できていません。

だからどうする

pH9未満と書かれた水か、水道水を使います。黄色くなったとべちゃついたが同時に出たら、まず水だけを替え、同じ水をはかる手順と同じ水は米の重さの何倍か(加水量の重量比)で炊き直します。一度に変える条件は一つにします。水を替えても同じなら、原因は水の側ではありません。整水器を使っているなら、炊飯には設定を戻した水を使います。米と水の量は前と同じにします。

まだ分かっていないこと

家庭で使う範囲のpHの違いが食味官能試験でどこまで差になるのかは分かっていません。水の硬度とpHのどちらがどれだけ効くのかを切り分けた測定も、テンシプレッサーのような物性測定を含めて見当たりません。水道水のpHは地域や季節で動きますが、その幅で味が変わるのかも測られていません。地域差を条件にして比べた資料も見当たりません。