誤解図鑑

単純温泉は成分がうすい湯?(泉質と成分の誤解)

うすいのではなく、名前を決める主成分が規定量に届かないだけです。泉温25℃以上という条件のほうで療養泉に入っている湯なので、成分が無いという意味にはなりません。単純温泉という名前から、成分がほとんど入っていない湯だと受け取られます。掲示の泉質欄に成分の名前がひとつも並ばないため…

冷たい水は温泉ではない?(泉質と成分の誤解)

温度が25℃に届かなくても、成分の条件を満たせば温泉です。温泉法第2条は温度と物質のどちらか一方でよいと定めていて、25℃未満の源泉は冷鉱泉と呼ばれます。浴槽が温かければ温泉、蛇口から出る水が冷たければただの地下水、という分け方です。掲示の泉温と気温の欄に25℃を下回る数字を見つけると…

炭酸泉と炭酸水素塩泉は同じ?(泉質と成分の誤解)

名前は似ていますが、決め手になる成分も見る欄も違う泉質です。二酸化炭素泉は遊離ガスの量で決まり、炭酸水素塩泉は溶けているイオンの主成分で決まります。「炭酸」の字が重なるので、炭酸泉と炭酸水素塩泉が同じ湯の言い換えだと読まれます。人工の炭酸浴や炭酸飲料の泡が思い浮かぶため…

硫黄のにおいがすれば硫黄泉?(泉質と成分の誤解)

においの強さでは泉質名は決まりません。硫黄泉と付くかどうかは総硫黄の量で決まり、においの主役である遊離硫化水素は、その一部を占める成分にすぎません。浴室に入った時点であの卵のようなにおいがすれば硫黄泉、しなければ違う、という当て方です。硫化水素臭は薄くても鼻につくので、掲示を読む前に鼻のほうで泉質が決まってしまい…

ぬるつく湯はアルカリ性?(泉質と成分の誤解)

肌ざわりの欄は、掲示にも分析書にもありません。液性の区分は湧出時のpH値だけで決まるので、ぬるつきから液性を読み取る手がかりは、紙の上には置かれていません。入った瞬間に肌がぬるつけばアルカリ性の湯、きしむ肌ざわりなら酸性の湯、という当て方です。ぬるすべという言い方は案内の文章でも使われ…

上がり湯で流すと成分が落ちる?(入りかたの誤解)

掲示の文言には但し書きが付いています。温泉成分を洗い流さずに拭き取ると書いたあとに、肌の弱い人や刺激の強い泉質では洗い流した方がよい、と続きます。上がり湯で流すと温泉の成分が落ちてしまうので、湯から出たら流さずにタオルで拭くのが作法だ、という一律の言い方です。どの湯でも…

かけ湯は汚れを流すためだけ?(入りかたの誤解)

掲示の文言では、温度に慣らす目的のほうが先に書かれています。手足からかけて温度に慣らすことと、身体を洗い流すことが、ひとつの文にまとめられています。かけ湯は、身体の汚れを浴槽に持ち込まないための礼儀だと教わります。浴室の貼り紙も、かけ湯をしてから入るようにと衛生の側だけを書くことが多く…

入浴時間は長いほどいい?(入りかたの誤解)

掲示の文言は、時間を延ばす順序のほうを書いています。初めは短くして慣れてきたら延ばすという段階の書き方で、長いほどよいという言い方は出てきません。長く浸かっているほど湯を受け取れる、という数え方です。我慢して入っていた時間の長さが話題になり、早く上がった人は損をしたように語られます。…

湯あたりは好転のしるし?(入りかたの誤解)

湯あたりは、入浴を控える合図として掲示に載っています。環境省の掲示基準は温泉療養を始めて3日から1週間前後に現れることがあるとし、そのときは入浴を中止するか回数を減らす、という置き方をしています。温泉に通い始めて数日たった頃、体がだるい、眠れない、胃の調子が落ちるといったことが起きます。これを「湯あたり」と呼び…

水分は湯から上がってから?(入りかたの誤解)

水分の補給は、入る前の注意にも書かれています。環境省の掲示基準は入浴前と入浴後の両方に同じ補給を並べていますが、広く知られているのは湯上がりの一杯のほうです。湯から上がったら水を飲む、という順番です。汗をかいたぶんを戻すのは湯上がりで、入る前に飲むと湯が薄まるとか…

掲示の数字は今の浴槽の湯?(表示の誤解)

掲示の成分は、源泉から採った湯を分析した値です。温泉法施行規則第10条が並べる項目のうち、浴槽の側を指しているのは温度の二つ目だけで、成分の数字は源泉の湯を測っています。壁の分析書を読み上げて、目の前の浴槽の湯の話として受け取る読み方です。ナトリウムが何mg、pHがいくつ、泉温が何度と並んでいるので…

分析年月日は古くてもそのまま?(表示の誤解)

分析年月日は、10年ごとに更新される日付です。温泉法は前回の分析から10年以内ごとに受け直すことを求めており、掲示の紙は取り替えられる前提で作られています。分析書は一度取れば貼り替えなくてよい、という受け取り方です。日付が数十年前でも湯は変わらないのだから紙も変わらないと読み…

ラジウム温泉は泉質名?(表示の誤解)

ラジウム温泉は、掲示に出る泉質名ではありません。掲示の側に並ぶのは単純弱放射能温泉などの名前で、限界値として量られているのはラドンのほうです。看板や施設の名にある「ラジウム温泉」が、そのまま掲示の泉質名だと思われています。ラジウムという物質が湯に溶けていて、その量で名前が決まると考えるからです。…

泉質名が無ければ温泉ではない?(表示の誤解)

泉質名が付くのは、療養泉に当たる湯です。温泉法の温泉と療養泉は別の表で判定され、温泉には当たるが療養泉には届かない湯には、泉質名が付きません。掲示に泉質名が見当たらないと、ここは温泉ではないのだと決められます。名前の付かない湯は、沸かした水に近いと考え、単純温泉と書いてあればまだしも…