水分は湯から上がってから?
入りかたの誤解
水分の補給は、入る前の注意にも書かれています。環境省の掲示基準は入浴前と入浴後の両方に同じ補給を並べていますが、広く知られているのは湯上がりの一杯のほうです。
よく言われること
湯から上がったら水を飲む、という順番です。汗をかいたぶんを戻すのは湯上がりで、入る前に飲むと湯が薄まるとか、入浴中は喉が渇かないから要らないといった言い方も添えられます。脱衣所に置かれた自動販売機や、風呂上がりの一杯を挟む宿の案内も、この順番を後押ししてきました。結果として、補給は上がってからするものという形だけが残りました。入る前の一杯が話に出る場面は、ほとんどありません。
実際はどうか
環境省の掲示基準は、入浴前の注意にも「特に起床直後の入浴時などは脱水症状等にならないよう、あらかじめコップ一杯程度の水分を補給しておくこと」を置いています。同じ補給は入浴後の注意にも並んでおり、前と後の両方に書かれた項目です。後だけが掲示の指示ではありません。起床直後という条件が名指しされているのは、むしろ入浴前の欄のほうになります。
なぜ広まったか
湯上がりは、渇きを自覚しやすい場面です。浴室では汗が湯と混ざって見えないため、失った量は上がってから体感として現れます。休憩所や脱衣所には飲み物が置かれ、上がった直後の一杯が絵になりやすい場面です。入る前の注意は掲示の上のほうに並ぶ短い欄で、湯へ急ぐ場面では読み飛ばされやすい位置にあります。宿の案内も湯上がりの飲み物にはふれ、入る前の一杯にはふれません。
どう言えば正しいか
「入る前にも、上がってからも補給する」と読むのが掲示どおりです。補給するのは水であって、温泉の湯ではありません。湯を口にするほうは飲泉として別の決まりで扱われ、施設ごとの許可や掲示の話になります。掲示の欄も入浴前と入浴後に分かれ、どちらにも同じ補給が置かれています。前後の補給そのものは入浴前後の水分補給が、掲示の欄立ては温泉の成分等の掲示が扱っています。