分析年月日は古くてもそのまま?

表示の誤解

分析年月日は、10年ごとに更新される日付です。温泉法は前回の分析から10年以内ごとに受け直すことを求めており、掲示の紙は取り替えられる前提で作られています。

よく言われること

分析書は一度取れば貼り替えなくてよい、という受け取り方です。日付が数十年前でも湯は変わらないのだから紙も変わらないと読み、古い日付を続いてきた年数のしるしとして受け取る見方もあります。逆に、古い日付を見つけただけで掲示が放り出されていると決めてしまう読み方も、更新の決まりを知らないという一点でつながっています。紙が古びていること自体が、更新の要らない証しのようにも見えます。

実際はどうか

温泉法第18条第3項は、政令で定める期間ごとに温泉成分分析を受けることと、「その結果についての通知を受けた日から起算して三十日以内に」掲示の内容を変更することを定めています。その期間を10年と定めているのが温泉法施行令第1条です(e-Gov 法令検索)。日付は、次の受け直しまでを数える起点として置かれた欄で、一度きりの記録ではありません。

なぜ広まったか

10年という間隔が、同じ紙を長く見せます。額に入った掲示は日焼けし、書式も古い時代のものに見えることがあり、受け直しの決まりがあること自体が紙の上からは伝わりません。分析を受け直しても泉質名まで変わらない湯なら、掲示の見た目はほとんど変わらず、直した結果なのかどうかが、日付以外から読めません。掲示の様式にも、次に受け直す期限を書く欄はありません。

どう言えば正しいか

「分析年月日は、10年ごとの受け直しの起点」と押さえます。読み手が自分で確かめられる、数少ない欄でもあり、掲示には温泉の成分の分析年月日と、登録分析機関の名称・登録番号が並びます(施行規則第10条)。10年という期間を決めたのは温泉法施行令で、施設が選んだ間隔ではありません。欄の読み方は分析終了年月日、決まりの側は十年ごとの再分析が引き受けています。