隠し包丁

切る

隠し包丁は、盛り付けたときに見えない裏側へ切り込みを入れる技術です。ひと筋の切り込みで、火の通りと味のしみ込みをひそかに助けます。

使いどころ

いか、れんこん、里芋、豚バラの厚い部分など、火が通りにくい・味がしみにくい食材に使う技術です。表からは見えない裏側や内側に切り込みを入れ、見た目を変えず火を助けます。厚みのある食材を丸ごと調理したい煮物や焼き物で選ばれ、下ごしらえの中でも地味ながら仕上がりを左右する工程とされています。見た目を保ったまま調理時間を短くできるため、煮崩れを防ぎたい料理でも重宝されます。

やり方

食材の盛り付けたときに裏になる面を選び、厚みの半分程度の深さまで刃を入れます。まっすぐ一本のこともあれば、格子状に数本入れることもあり、これは食材と料理によって決めます。表側まで貫通させると形が崩れてしまいます。切り込みの間隔は1〜2cm程度を目安にすると、味と火の通りのむらが出にくいとされています。包丁の刃元を使うと、深さを一定に保てます。切り込みを入れる向きは、盛り付けたときに表から見えないかどうかで判断します。

コツ・注意

切り込みから熱と調味料が入りやすくなり、火の通りが均一になります。いかに格子状の切り込みを入れると、加熱時に丸まって見た目も変わります。厚みのある食材ほど効果が分かりやすく、厚み1cmが検討の目安になります。れんこんや里芋のように繊維や粘りが強い食材でも、切り込みひとつで食べやすさが変わります。切り込みの本数や向きは、料理のレシピや好みに応じて調整されることが多いとされています。