クレソン

葉物

向き: よく育つ

もともと流れる水に生える植物です。冷涼な気候を好むため冷水性の魚と組みやすく、伸びすぎると床を覆うので、間引きながら使います。

この系で育つか

FAO 589 は養分要求の低い葉物の並びにクレソンを挙げています。半水生で、水耕そのものが自生地に近い作物です。ニジマスのように低い水温を好む魚とも季節が合います。明治初期に入った株が各地の水辺で野生化しているので、系の水を水路へ流さず、外から採ってきた野生株も持ち込みません。

必要な養分

窒素が主で、量は多くありません。硝酸態窒素(NO₃-N)が薄い立ち上げの途中でも伸びていきます。弱アルカリ性の水でよく育つ性質ですが、系のpHは魚と硝化菌に合わせて6〜7に置くため、鉄が効きにくい上端へ寄ることは見込んでおきます。作物のほうに水を合わせない、と決めておく場所です。

出やすい不調

伸びが速く、床を覆って流れと光をふさぎます。覆われた下の茎から傷みはじめ、水が動かなくなった場所で根が茶色くぬめるほうへ進みます。つる先を摘んで間引き続けることが、この作物の手入れそのものです。抜いた茎は水路へ流さず、乾かしてから陸で始末します。覆う前に減らすほうが、あとの手間はずっと軽くなります。

収穫までの目安

種まきからは2〜2.5か月、つる先を挿す方法なら1.5か月ほどで採れるようになります。収穫はつる先のやわらかい部分を15cmほど摘む形で、以後は伸びるたびに続きます。耐暑性も耐寒性もありますが、好むのは冷涼な側なので、夏は日よけと水温の側で持たせます。挿し芽なら、採った茎をそのまま次の株にできます。

解説動画: 【クレソン】増え方と再生栽培のコツを掴めば自宅で何度も収穫♪~リボベジ&無限栽培~/そらのかおり

水に挿すと萎れた: 動画の作り手は、買ってきたクレソンの茎をコップの水に挿す方法で、これまで2回続けて失敗しています。今回も挿した翌日にはしおれて、立て直せない状態になりました。節からすでに根が出ている茎なのに、水の中で弱ってしまう。原因を探して打ち直すところが、この動画の中心です。

水を減らして直す: 打った手は、茎の先端だけが浸かるところまで水を減らすことでした。もともと流れのある場所に生える植物なので、コップの止まった水では酸素が足りないのではないか、という見立てです。空気に触れるようにしたところ、翌日には株が元気を取り戻しました。溶存酸素(DO)の側から水耕の失敗を読んだ場面です。

培地に寝かせる: もうひとつ試したのが、ハイドロボールを入れた鉢に、節から根の出た茎を横たえて置くやり方です。水のたまる受け皿つきの鉢を使い、水に挿した株と同時に進めて見比べます。8日で根がだいぶ伸び、13日には茎も根もさらに伸びてきました。粒の培地に置いただけで根が下りていく形です。

先端を摘む順: 殖やし方について動画は、脇芽が出たら切るのではなく、先端を摘むと脇芽が出てくるのだと言い直します。上半分を切ってまた水に挿し、挿した先でも根を出させます。同じ株を切っては挿すのくり返しで数が増えるので、手元に何本か水に挿しておけば全滅することはない、と結びます。

寒さで速さが落ちる: 10月末に始めたため、気温が下がるにつれて成長の速さが落ちていきました。朝晩が2〜3℃しかない日もあり、1か月近く経っても脇芽はあまり出ていません。ところが室内に置いた株は4日で茎が伸び、暖かい側との差がはっきり出ます。それでも葉は少しずつ茂り、止まらずゆっくり進みます。