ホウレンソウ

葉物

向き: 条件つき

葉物の中では、この系でつまずきやすい側です。水温が25℃を超えると根が傷みやすく、とう立ちも早いので、涼しい時期に限る作物として扱います。

この系で育つか

日本種苗協会は生育適温15〜20℃、25℃以上で生育が抑えられるとしています。発芽も25℃以上で率が落ちます。耐寒性は強く、−10℃にも耐えます。涼しい季節に限れば育ちますが、魚を暖めている系とは、温度の希望が正面からぶつかります。逆にニジマスのように10〜18℃で飼う魚とは、望む温度がそのまま重なります。

必要な養分

窒素のほか、カルシウム(Ca)と鉄(Fe)を見ます。日本種苗協会は土壌酸度の適応をpH6.5〜7.0とし、酸性には極めて弱く5.5以下で生育が落ちるとしています。pHの希望は系と合う一方、7に近いほど鉄は沈んで効きにくくなります。硝化で下がりやすい系では、そこが利点にもなります。

出やすい不調

水耕のホウレンソウでは、ピシウム属による根の腐りが報告されています。Sutton ら 2006 の総説は根圏が23〜27℃以上で症状が重くなる一方、養液が冷たい冬にかえって重かった例も挙げていて、温度だけの話ではありません。根が茶色くぬめるときは溶存酸素(DO)と水温から戻します。

収穫までの目安

日本種苗協会は発芽適温15〜20℃としています。長日期は播種から15日以内、短日期でも30日前後で花芽ができるため、とう立ちは温度だけでなく日長からも来ます。9〜11月にまいて10〜3月に採る秋冬まきが最も作りやすい作型で、それ以外の季節は無理をしないほうが早いです。春まきは、育つ前にとうが立つと考えておきます。

解説動画: ほうれん草の切れ端を捨てないで!植えたらまたほうれん草ができた/のりんご

根つきの株だけ: 動画は、ほうれん草の株元を5cmほど残して水につけ、そこから育て直します。多くの株には根がなく、1か月たっても発根しないまま枯れました。根が残っていた株だけが伸びたので、根つきのものを選ぶことが要点だと、結果のほうから示す組み立てです。水は毎日替えていました。

光は十二時間まで: 大きな注意として12時間より長く光に当てると花が咲くと述べ、夜は段ボールをかぶせて室内の明かりまで遮ります。4月には朝5時から明るく、18時でもまだ明るいので、13時間以上覆う日もありました。とうを止めているのは温度ではなく日の長さの側だと、手当てのしかたが語っています。

室温と直射日光: 置き場所は日中の室温15℃、のちに20℃ほどの室内です。ガラス越しの直射は30℃を超えるのでそこには置かず、弱い日差しから少しずつ暑さに慣らします。水につけている間は、冷えると容器にシュウ酸カリウムの白い結晶が出て、暖かくなると消えたと記録しています。水の中の根は、よく伸びるものと、まったく伸びないものに分かれました。

植え替えと追肥: 根が回ったら鉢底に赤玉土を入れ、培養土へ移します。植え付けから1か月で肥料を2gほど土に混ぜ、さらに2週間後にもう一度。草丈は7cm、14cm、16cmと伸びますが、上へは伸び切らず葉が横へ広がり、脇芽が多く出ましたと、うまくいかない側も含めて記録を並べます。

止めるのは日長: 収穫は根ごと抜いて、根の再生する力を確かめる形で終わります。暖かくなるとアブラムシがつきました。動画がまとめる要点は長く光に当てないこと、根つきの株を選ぶこと、そして運の三つ。この作物を止めているのは養分ではなく、日の長さの側だと読める記録です。脇芽から出た葉は、はじめの葉より丸みを帯びていました。