キャベツ

葉物

向き: 条件つき

育たないのではなく、床を長くふさぐのが問題になります。同じ床で葉物を何回転できたかと並べると、この作物の重さが見えてきます。

この系で育つか

FAO 589 は定植から45〜70日、1m²に4〜8株と置いています。リーフレタスは24〜32日で1m²に20〜25株なので、同じ面積の使い方がまったく違います。養分の要求が高く、動かして4か月に満たない系には向きません。株が大きく重いので、浮き床やパイプではなくメディアベッド側です。

必要な養分

結球が始まるころにリンとカリウムが要ります(FAO 589)。リン酸(PO₄-P)とカリウム(K)はどちらも餌から出る量が読みにくい養分で、葉物より不足が表に出ます。一方で、面積あたりの吸収はレタスやホウレンソウより少ないともされていて、床をふさぐわりに水は薄くなりません。薄くならない代わりに、床だけが空きません。

出やすい不調

日本種苗協会は28℃以上でも7℃以下でも結球しにくいとしています。アブラナ科の虫もつき、魚がいる水では薬に頼れません(→魚がいると殺虫剤は使えない?)。床を長くふさぐわりに吸う量が少ないので、置いているあいだに硝酸だけが増え続けるほうへ寄っていきます。虫は結球の内側に入ると、外からは見えなくなります。

収穫までの目安

日本種苗協会は結球適温13〜20℃、外葉が17〜20枚そろう定植後40〜50日ごろから巻き始めるとしています。FAO 589 は結球の直径が10〜15cmになったら収穫と書いています。苗の期間を足せば、床は2か月以上ふさがります。同じ床で葉物を何回転できたかで比べます。回転の速い葉物と並べると、差がそのまま出ます。

解説動画: 【完全ガイド】超簡単なキャベツの再生栽培(エンドレス栽培)のやり方/収穫後そのまま何度も再生させて採る/無限キャベツ/How to regrow cabbage/Endless cultivation/ニャハハの家庭菜園

軸だけにして置く: 収穫したらすぐ抜くのではなく、外葉を全部取り除いて軸だけにするところから始めます。株の周りに軽く追肥し、防虫ネットはかけたまま置いておく。すると切り口の周りから脇芽がいくつも出てきます。収穫のときに小さな芽が見えていればそれを残すように切るとよいが、残せなくてもまた出てくると述べます。

脇芽が巻くまで: 脇芽の育ちを月ごとに追っていきます。再生を始めて1か月で葉が開き、さらに1か月で枚数が増え、さらに1か月半で中から結球が始まりました。芽の数が多いとどれも小ぶりになるので3本以内に間引きますが、小さいうちに減らさず、結球が順調と確かめてから間引くのがよいとしています。

とう立ちの条件: 動画がいちばんの肝だと言うのはここです。葉が10枚以上ある状態で気温10℃以下を1か月以上経験すると、次に気温が上がったときに一斉にとう立ちするそうだ、と説明します。脇芽の内側で重なった葉も枚数に数えるので、小さな芽でも条件を満たす。とう立ちした芽だけを取り除いて軸に戻せば、次に出る芽は花に向かわずに育ちます。

始める時期と手入れ: そのため、再生を始める時期が効いてきます。香川県の畑では2月下旬以降に収穫して再生に入るとうまくいくことが多いそうです。手入れは真夏の毎日の水やりと月に1回ほどの追肥で、防虫ネットは一年中かけたまま。猛暑よりも長雨のほうが痛手が大きく、全滅した年もあると正直に置いています。

抜かずに続ける: 2年ほどかけて4世代目まで採れた株を見せて動画は終わります。栽培面積が限られた菜園ほど、抜かずに再生させる形が効くと結び、意地にならず区切りをつけて苗から新しく始めてもよいと添えます。この本に置き換えるなら、同じ床を1株にどれだけの期間預けるかという話で、リーフレタスのような葉物と並べて読むところです。