空を見る道具図鑑
双眼鏡(見るための道具)
肉眼で潰れて見える空の細部を、粒ごとに分けて見せる道具です。倍率と対物レンズの口径がそのまま名前になっていて、8x42なら8倍・口径42mmを指します。肉眼では一つの面に見えていたものが、粒の集まりに分かれます。波状雲の並びは、離れて見れば灰色の縞ですが、拡大するとひと粒ずつの丸みと影まで数えられるようになります。…
偏光フィルター(見るための道具)
青空の光は偏っていて、その偏りは太陽から90度離れた空でいちばん強くなります。フィルターを回すと、その方向の空だけが濃く沈み、雲との差が開きます。青空の光は、振動の向きが偏っています。空気の分子に散らされてこちらへ届く光は太陽から90度離れた方向でいちばん強く偏り…
魚眼レンズ(見るための道具)
画角180度のレンズは、地平線から天頂までを1枚に収めます。半径46度の外暈や空を一周する幻日環まで追うなら、普通の広角では端が切れます。画角180度は、真上へ向けたときに地平線の一周から天頂までが1枚に入る広さです。空の光は太陽からの角度で位置が決まるので、この広さが要るかどうかは追う相手で変わります。…
マクロレンズ(見るための道具)
雪の結晶の枝ぶりは、肉眼の分解できる細かさの外側にあります。気象研究所の「#関東雪結晶」プロジェクトは、レンズを付けて2〜3cmまで寄る撮り方を公開しています。雪の結晶や霜の形は、肉眼の外側にあります。気象庁『気象観測の手引き』は雪を「空気中の水蒸気が昇華してできた氷の結晶の降水」と定め…
三脚(見るための道具)
同じ場所から同じ画角で撮り続けると、雲の動く向きが写真の差として出ます。気象台が目視でとってきた観測項目にも、雲の向きが入っています。同じ場所・同じ画角に固定した写真は、時間で並べたときに初めて意味を持ちます。気象庁の地上気象観測は雲について、雲形と雲量に加えて雲の向きを目視でとってきました。…
プリズム(見るための道具)
白い光がガラスに斜めに入ると、色ごとに曲がる角度が違って分かれます。空にできる暈や虹の色の並びは、この分かれ方をそのままなぞっています。入る角度によって、色ごとの曲がり方が違います。三角プリズムを通した光を紙に映すと、赤から紫までが決まった順で並びます。空で同じことをしているのは氷の結晶で…
アネロイド気圧計(測る道具)
読み取るのは今の値そのものより、前に合わせた針との差です。どちらへどれだけ動いたかを見るために、多くの機種は目盛りの上に二本目の針を持っています。気圧は、その場所の上にある空気の重さを面で受けた量です。アネロイド式は空気を抜いた金属の器が外の気圧に押されてわずかにへこむ量を、てこで拡大して針に伝えます。…
通風乾湿計(測る道具)
乾いた球と湿らせた球の温度差から、湿度と露点が出ます。気温と露点の差を125倍すると、雲ができ始める高さの目安になります。二本の温度計の差だけで、湿度と露点が出ます。片方の球をぬらしたガーゼで包むと、水が蒸発するぶん熱を奪われて乾球より低い温度で釣り合い、空気が乾いているほど差が開きます。同じ気温でも…
転倒ます型雨量計(測る道具)
降った雨を、ますが傾いた回数に置き換えて数える測器です。気象庁の雨量計は受水口の内径が20cmで、たまった水が決まった量に達するたびに左右のますが交互に倒れます。受水口の水を、二つに仕切ったますが交互に倒れる回数に置き換えて数えます。気象庁の雨量計は内径20cmの受水口を持ち、片方に決まった量がたまると傾いて水を捨て…
方位磁針(測る道具)
見えている雲や光が、空のどの方角にあるかを言うための道具です。針が指す北は真北とずれるので、国土地理院の磁気図で自分の場所の偏角を引いてから読みます。見えているものが空のどの方角にあるかを書き留められるようにします。同じ雲でも、南の空に立っているのか西から流れてきたのかで記録の意味が変わり…
放射温度計(測る道具)
触れずに、その面から出る赤外線の量から温度を読む測器です。空へ向けると、雲があるときと無いときで読みが大きく変わり、曇天では雲底の高さの見積もりに使われています。物に触れず、面から出ている赤外線の量で温度を読みます。空へ向けると読みは大きく動き、晴れた天頂は氷点下の深いところまで下がり…
角度計(測る道具)
水平から何度上かを数字にする道具です。この図鑑の目印は角度で、太陽高度が32度以下でしか出ない形、58度以上でしか出ない形があります。水平から何度上かを数字にします。この図鑑の目印は角度で、環天頂アークは太陽高度32度以下、環水平アークは58度以上でしか出ません。いま太陽が何度にいるかが分かれば…