通風乾湿計
測る道具
乾いた球と湿らせた球の温度差から、湿度と露点が出ます。気温と露点の差を125倍すると、雲ができ始める高さの目安になります。
何が見える・分かる道具か
二本の温度計の差だけで、湿度と露点が出ます。片方の球をぬらしたガーゼで包むと、水が蒸発するぶん熱を奪われて乾球より低い温度で釣り合い、空気が乾いているほど差が開きます。同じ気温でも、差が小さいほど空気は水蒸気で満たされています。換算表から露点まで引ければ、気温と露点の差1℃につきおよそ125mという近似で雲のできはじめる高さの見当がつきます。積雲の平らな雲底が、手元の二つの数字とつながります。
選ぶときに見るところ
気象庁の測器の正式な名は携帯用通風乾湿計で、名前の通り通風があること自体が仕掛けです。ぜんまいか電動のファンが球へ一定の速さで風を送るので、日なたでも放射と風待ちによる誤差が小さく収まります。球に直接日が当たらない作りかどうかも見ます。ほかに見るのは湿球のガーゼを交換できるかと水を差す容器、目盛りの刻み、乾湿球湿度表が付くかどうかです。放射温度計と違い、空気の中に置いて待つ測器です。
使うときの注意
ガーゼが乾いていると、ただの温度計が二本になります。測る前に十分に湿らせ、通風を始めてから読みが下がりきるまで待ちます。水は湿球だけに与え、乾球の側は乾いたままにします。汚れると水を吸わなくなるので、黒ずんだガーゼは交換します。日なたでは器体を手で持たず、体温と息が球に届かない距離へ離します。氷点下では湿球に氷が張り、換算表の欄も変わるため、霜の降りる朝は読み替えを先に確かめます。
無いときの代わり
室内用のデジタル温湿度計でも湿度と露点は出ます。ただし日なたに置くと器体そのものが日射で温まり、気温は高く湿度は低く出ます。屋外で使うなら白い板の陰に置き、風の通る場所で数分待ってから読みます。手で振る式の乾湿計もありますが、振る速さで読みが揺れます。露点だけなら冷たい飲み物のコップが曇り始める温度が目安になり、その温度が露点に近いと見られます。同じ考え方は露が草につく朝にも重なります。