マクロレンズ

見るための道具

雪の結晶の枝ぶりは、肉眼の分解できる細かさの外側にあります。気象研究所の「#関東雪結晶」プロジェクトは、レンズを付けて2〜3cmまで寄る撮り方を公開しています。

何が見える・分かる道具か

雪の結晶や霜の形は、肉眼の外側にあります。気象庁『気象観測の手引き』は雪を「空気中の水蒸気が昇華してできた氷の結晶の降水」と定め、星状・角柱状・板状という形の別まで書いていますが、降ってきた一粒でそれを見分けるのは目には荷が重いところです。マクロレンズはその一粒を画面いっぱいに写し、枝の数と対称の崩れまで残します。霜柱なら、土から立った柱の太さや、氷に取り込まれた土の筋まで写ります。

選ぶときに見るところ

どこまで寄れるかがほぼ唯一の指標です。気象研究所の「#関東雪結晶」プロジェクトは、レンズを付けて2〜3cm、付けずに約10cmという距離を撮り方として示しています。スマートフォンならクリップ式が手軽で、レンズ交換式の等倍マクロより手が届きます。寄るほどピントの合う奥行きが薄くなるので、手ぶれ補正と連写の効くものだと歩留まりが上がります。霜のように留まったままの相手なら、寄れる距離だけで選べます。

使うときの注意

息がかかると溶けます。顔を近づける姿勢になるので、息を止めるか横を向いて吐きます。暖かい背景の上では、置いた側から形が崩れます。同じプロジェクトは暗い色の布を先に外へ出して冷やしておくことと、手首を地面につけて連写する構えを挙げています。手袋のまま押せるよう、設定は屋内で決めておきます。着地の直後を狙うほど枝の先が欠けていない一粒に当たり、みぞれの混じる日は溶けかけた粒ばかりになります。

無いときの代わり

暗い色の布とスマートフォンの最大ズームだけでも撮れます。黒や紺の生地を外で冷やして受け皿にすると、白い結晶との明暗差が開いて輪郭が出ます。樹霜のように結晶の形が肉眼でも分かる相手なら、これで十分に足ります。ピントは画面をタップして結晶に合わせ、体ごと前後に動かして詰めます。拡大鏡があればレンズの前にかざす手も通ります。撮ってから拡大するぶん画は粗くなるので、枝の数を数えるところまでが目安です。