偏光フィルター
見るための道具
青空の光は偏っていて、その偏りは太陽から90度離れた空でいちばん強くなります。フィルターを回すと、その方向の空だけが濃く沈み、雲との差が開きます。
何が見える・分かる道具か
青空の光は、振動の向きが偏っています。空気の分子に散らされてこちらへ届く光は太陽から90度離れた方向でいちばん強く偏り、ケンコー・トキナーの解説もそこを効きの最大になる位置としています。フィルターを回すとその向きの光だけが通らなくなるので、青が濃く沈み、白い雲との明暗差が開きます。巻雲のような薄い筋の雲は、この差で初めて形が出ます。水面やガラスの反射光も偏っているので、映り込みを抜く使い方も同じ一枚でできます。
選ぶときに見るところ
まずレンズ側の口径(mm)を合わせます。77mmと刻まれたレンズには77mmの枠が付き、径が違えばステップアップリングで受けます。次に円偏光(C-PL)であることで、直線偏光は今のカメラの測光や位相差の仕組みと噛み合いません。通る光が少なくなるぶんシャッター速度が落ちるので、三脚と組にすると効きます。枠の厚いものは広角で四隅が暗くなります。広角では画面の端と中央で偏りの向きが変わり、空に濃淡のむらが残ります。
使うときの注意
効きは太陽との角度で決まりますので、向きを変えるたびに回し直します。太陽に正対した空や真後ろの空では偏りが弱く、同じ設定のまま振ると空の濃さが不均一に写ります。虹の光も偏っているため、主虹は角度によって濃くも薄くもなります。回すのは少しずつにして、効かせすぎると空だけが不自然に暗く落ちます。一枚重ねても、太陽本体を直接見てよい道具にはなりません。覗いて太陽を追う撮り方はやめ、背面の画面で構図を決めます。
無いときの代わり
目で見る側には偏光サングラスが近く、原理は同じです。かけたまま首をかしげると青空の濃さが変わり、偏りの向きがその場で確かめられます。ただし濃さが変わるのは目の中だけで、記録には残りません。撮る側の代わりとしては、露出を切り詰めて青を沈める手や、魚眼レンズで空を広く撮ってから部分を切り出す手があります。偏りの向きは液晶画面越しに回すと一目で分かります。水面の映り込みは、角度を変えて回り込むほうが早いところです。