古米はにおいでわかる?
品種と買い方
古米のにおいのもとは、貯蔵中にできる成分だと説明されています。脂質が分解・酸化してヘキサナールなどが生じるためで、農林水産省がそう記しています。
言われていること
古い米はにおいで分かる、と米穀店の解説や家庭向けの記事で言われます。炊いたときに立つぬかのようなにおいが目印とされ、洗った水のにおいで見分けるという言い方もあります。農林水産省も、貯蔵中の変化としてにおいのもとになる成分が生じることを説明しており、においを手がかりにすること自体は資料と合っています。炊く前の米を手に取って確かめる人もいます。
測るとどうか
農林水産省「米の貯蔵中の変化」は、リパーゼによって中性脂質がグリセリンと遊離脂肪酸に分解され、酸化分解を経てペンタナールやヘキサナールとなり、古米臭の原因になると記しています。遊離脂肪酸の量を示す脂肪酸度は、古米化の程度を表す指標として使われます。数値で追える変化として整理されています。においそのものを人が判定した数値ではありません。
誰が・何を・どう測ったか
同じ資料には、貯蔵中に水分の減少、α-アミラーゼ活性の低下、でんぷんの分解による還元糖の増加も起こると記されています。低温貯蔵の基準は15℃以下・湿度70〜75%です。ただし、においの強さを人が判定した試験の条件や、その点数までは公表されていません。家庭の保管での検証も同じです。保管の月数とにおいを結んだ表も出ていません。
だからどうする
研ぐときからにおうと感じたら、米を保存する場所を、流し台の下や直射日光の当たる所から涼しく乾いた所へ移します。買い方も、袋の精米時期が新しいものを使い切れる量ずつ、という形に切り替えます。においが気になる米は、洗う回数を増やすより早く使い切るほうが効きます。米びつは空にしてから足し、袋の口は使うたびに閉じ直します。買う量は、次に買うまでの日数から決めます。
まだ分かっていないこと
脂肪酸度がどの値を超えると人がにおいに気づくのか、その境目は保管の温度や品種で変わるとされ、共通の目安として公表された数値は見当たりません。炊く前の米のにおいと、炊いた後のにおいの対応も示されておらず、洗った水のにおいで見分けられるかを確かめた試験も、何か月で変わるのかという目安も出ていません。品種ごとの差も数値になっていません。