タンパク質が低いほどおいしい?
品種と買い方
低いほど評価が上がるのは、玄米タンパク質がおおむね7%以上のときです。5.5〜6%以下になるとむしろ評価は下がるとされ、範囲の外では向きが変わります。
言われていること
米袋の説明や産地のパンフレット、米穀店の解説では、タンパク質の値が低い米ほどおいしいと案内されます。近赤外分光の食味計の判定項目にもタンパク質が入っていて、成績表には6.8%のような数字が一つ並びます。示されるのがその一つだけなので、低ければ低いほど良いという単調な関係として読まれ、値の小さい袋を選ぶ根拠に使われています。同じ産地の中で銘柄を選ぶときの決め手にもなっています。
測るとどうか
農研機構の解説では、玄米の米のタンパク質含量がおおむね7%以上の範囲では、低いほど食味が良いとされます。ただし7%または6.5%以下になると低くするほど良いとは限らず、5.5〜6%以下ではむしろ評価が下がる傾向があるとされます。埼玉県農林部も、おいしい米の条件を6.5〜7.0%という範囲で示しています。範囲の外では、向きそのものが変わります。
誰が・何を・どう測ったか
農林水産省「米の食味の理化学評価」が書いているのはたんぱく質含量が高い米ほど食味は低下するという向きまでで、上下の閾値の数字は農研機構の解説によります。日本の炊飯は炊き干し法で、少量の水をでんぷんとタンパク質が取り合うため、多い米では吸水と糊化が妨げられる、というのが理由です。湯取り法の国では前提が変わり、供試した点数も公表されていません。
だからどうする
成績書や産地の資料にタンパク質の値があれば、低いほど良いと読まずに、6.5〜7.0%あたりに入っているかで見ます。値が書かれていないことは、その米を避ける理由になりません。台所の側で動かせる数値ではないので、比べるときは水をはかる量と炊く量を揃えます。値そのものより、揃えた条件のほうが後から効いてきます。同じ米を二度炊いて、はじめて差が読めます。
まだ分かっていないこと
5.5〜6%以下で評価が下がる理由が、でんぷんの糊化のしかたによるのか、香りや味に関わる成分が減るためなのかは特定されていません。栽培の側では、窒素施肥を抑えすぎると未熟粒が増えるとされますが、その影響とタンパク質そのものの影響を分けて測った資料は見当たりません。玄米と精米で値が変わることの扱いも整理されていません。範囲の下側を確かめた試験そのものが少ない状態です。