新米のほうが古米よりおいしい?

品種と買い方

年産だけでは、おいしさの差までは決まりません。古米は脂質の酸化でにおいが変わりますが、その進み方は貯蔵の温度と水分の管理で変わります。

言われていること

新米のほうが古米よりおいしいと、店頭でも家庭向けの記事でも案内され、産年の新しさがそのまま味の順位として扱われます。古米は水を多めにして炊くという水加減の作法も、新米と古米では水分が大きく違うという同じ前提の上に立っています。秋に新米の入荷が知らせとして出ることも、この読み方を支えています。新米の時期に合わせて買い替える人も多くいます。

測るとどうか

農林水産省は、米の保存技術が進み、水分が年間約15〜16%に管理されるようになったため、水加減に配慮することも少なくなったとしています。一方、貯蔵中には脂質が分解・酸化してヘキサナールなどが生じ、脂肪酸度が上がる変化は進みます。年産で変わるのは水分よりにおいの側で、水加減の作法の前提のほうが崩れています。水分の側の前提が崩れた点が、この説の要になります。

誰が・何を・どう測ったか

農林水産省「米の調理特性」と「米の貯蔵中の変化」によります。低温貯蔵の基準は15℃以下・湿度70〜75%、食糧庁の玄米低温保管基準は15℃・水分15%・相対湿度60%です。ただし、産年ごとに保管条件を揃え、官能評価まで並べた公開データは見当たりません。売り場での保管温度も表示されていません。保管の温度と月数を揃えた比較そのものが少ない状態です。

だからどうする

産年だけで決めず、袋の精米時期と保管の表示を合わせて見ます。家では米を保存する場所を涼しく、温度の動きが小さい所にして、1か月で使い切れる量ずつ買います。年産より後の扱いのほうが効くので、買ってからの置き場所を先に決めておきます。買い足す前に、前の米を使い切ります。置き場所を決めたら、袋の口も同じ閉じ方に揃えます。

まだ分かっていないこと

貯蔵の温度と月数が、においとして気づかれる境目にどう対応するのかは示されていません。脂肪酸度が上がることと、食べた人が古いと感じることを家庭の保管条件で結びつけた公開データも見当たりません。精米されてからの日数と年産のどちらが強く効くのかも比べられておらず、買ってから何日で使い切るかの目安も出ていません。古米臭の強さを段階で表す共通の目盛りもありません。