ヤブガラシ

夏に出る草

触れたときの扱い: 樹液・毛・汁に注意(触れたら洗う) / 見ごろ: 夏(7〜8月)

標準和名はヤブカラシ、通り名はヤブガラシです。鳥の足のように5枚並ぶ葉と、橙色の平たい花盤に虫が絶えない姿で決まります。

ここだけ見る(決め手)

葉と花盤の二つで決まります。小葉は鳥足状に5枚並び、中央の1枚が大きく、両側の2枚ずつは低い位置から出ます。夏の花は直径5mmほどで、花弁と雄しべが午前のうちに落ち、橙色の平たい花盤だけが残ります。ここに蜜がたまるので、アシナガバチやアリが絶えず来ている株は遠目でも見当が付きます。単葉と複葉の見方がそのまま効きます。

いつ、どこに出るか

7月から8月が花の盛りで、フェンス、生垣、のり面、電柱の根元など、日が当たって支えのある場所に出ます。芽は春先から伸び、葉序は互生で、葉と向かい合う位置から巻きひげが出て金網に巻きつき、夏には生垣の天面を覆います。市街地の空き地では、刈られた翌月には同じ高さまで戻っていることが多く、季節よりも場所で探すほうが早く見つかります。

よく似た草との違い

同じ場所を覆うクズは小葉が3枚で葉が大きく、巻きひげを持たずに茎そのものが巻きます。カナムグラは茎に下向きの刺があり、触れれば手で分かります。ブドウ科の近い相手ではノブドウが紛れますが、あちらの葉は切れ込みのある1枚で、5枚には分かれません。花盤の色も、ヤブカラシは橙、ノブドウは淡い緑で別です。

触れたらどうなるか

見るのは、茎や葉柄をちぎったときに出る汁です。ブドウ科の汁にはシュウ酸カルシウムの針状結晶を含むものがあり、肌がちくちくすることがあります。巻きひげをほどくときは、金網の側から外します。触れたら流水で洗い、汁の付いた手で目をこすりません。目に入ったときの手当ては、汁が目に入ったときにまとめてあります。

増え方

地上の蔓よりも、地下の茎が本体です。根茎が浅い土の中を横に走り、途中の節から新しい芽を上げるため、地上部が刈られても数週間で同じ場所から伸び直します。関東以北の株は三倍体で実を結ばないものが多く、それでも広がるのは地下茎があるからです。西日本には結実する株があり、黒く熟した実を鳥が運びます。同じフェンスに絡むヘクソカズラも、地下茎が残るかぎり戻ります。