エノコログサ
夏に出る草
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 夏(7〜8月)
毛の生えた円柱の穂が、そのまま名前になっています。穂が立つか垂れるか、緑か金色かの二点で、近い三種のどれかまで絞り込めます。
ここだけ見る(決め手)
穂だけ見れば済みます。剛毛が密に生えた円柱形の穂で、長さは3〜6cm、色は緑、先が少し傾く程度で垂れません。剛毛は小さな粒(小穂)の付け根から出ており、ハンドルーペで覗くと粒の一つずつに毛が束で付いているのが見えます。粒が落ちた後の軸には、毛の抜けた跡が点で残ります。俗にネコジャラシと呼ばれますが、以下はエノコログサで通します。
いつ、どこに出るか
夏(7〜8月)、穂が出る7月から10月が本番です。空き地、道路と塀のすきま、畑の縁など日当たりのよい裸地に出ます。メヒシバが地面を這って面を作るのに対し、こちらは株立ちで上へ伸び、高さ40〜80cmまで立ちます。低い面がメヒシバ、その上に出る穂がエノコログサ、と層で見ると空き地の草が整理できます。
よく似た草との違い
近い二種は穂で分かれます。アキノエノコログサ(Setaria faberi)は穂が7〜15cmと長く、重みで先が弓なりに垂れ、盛りは秋です。キンエノコロ(Setaria pumila)は剛毛が金色に光り、穂は短く直立します。エノコログサはその中間で、緑の穂がやや傾く程度です。YList の Setaria viridis は幅を持った扱いで、地域の型を含みます。
触れたらどうなるか
特に知られた刺激はない側の草です。穂の剛毛は細かなとげが並ぶ毛で、根元から先へ触れると滑り、先から根元へ触れると引っかかります。皮膚を刺す毛ではありませんが、服の内側に入ると出にくいのはこの向きのためです。花粉はイネ科なので、穂の出る時期に反応する人はいます。葉と茎は、かぶれの報告が知られていません。
増え方
一年草で、種子だけで回します。穂が熟すと小穂が剛毛ごと外れて落ち、毛が服や動物の毛に引っかかって運ばれます。一本の穂に数百の粒が並ぶため、株が枯れた跡には翌年の芽が密に出ます。土を掘り返した場所に一斉に出るのは、土の中で数年もつ種子が光と温度で目を覚ますからです。刈られた株も、地際から枝を出して穂を作り直します。