ネジバナ
夏に出る草
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 初夏(6〜7月)
小さな花が、らせんを描いて咲き上がります。公園の刈られた芝地に出るラン科の草で、巻きの向きは株ごとに右にも左にも回ります。
ここだけ見る(決め手)
らせん状にねじれて並ぶ花穂がすべてです。高さ10cmから40cmほどの細い茎に、直径5mmほどの花が縦に並びます。色は淡い紅色で、巻きの向きは右巻きも左巻きもあり、株ごとに違うため、向きで種を決めることはできません。花は唇のように下へ垂れる花弁を持ち、そのふちが細かく波打ちます。花序の形が、そのまま名前になった草です。
いつ、どこに出るか
5月から8月、公園の芝生、校庭のへり、街路の植え込みの下草に立ちます。定期的に刈られている短い芝の中ほど見つかり、丈の高い草に埋もれた場所には出ません。刈り込みで背の高い草が抑えられ、日が地面まで届く状態が保たれるためです。同じ芝地にはスズメノカタビラが混じります。刈り取りの日程によっては、花穂が上がる前に消えます。
よく似た草との違い
らせんの花穂を持つ草は、街ではほかにありません。穂を立てるイヌタデは紅色の花が穂に密につまり、ねじれません。オオバコの穂は白い雄しべが下から輪になって上がる形で、色が付きません。花の時期を外すと根元にへら形の葉が数枚あるだけになり、芝の葉に紛れて見つけにくくなります。探すのは花穂が立つ時期に限ります。
触れたらどうなるか
危ないのは人よりも、草の側です。葉にも茎にも花にも、知られた刺激の報告はありませんが、茎が細く、引き寄せると花穂が折れます。花が小さいのでハンドルーペで寄って見ることになりますが、芝地では膝をついて手で押さえずに撮ります。公園の芝地は管理者の場所で、公園の木と草のとおり掘り取りは認められていません。株はその場に残します。
増え方
種でふえます。ほこりのように細かい種が風で散り、芝地の隙間に落ちます。ラン科なので種は自力で芽を出す養分を持たず、土の中の菌と結び付いて初めて育ちます。この関係は移した先では成り立たないため、株ごと掘り取っても根付かずに枯れます。掘り取りの扱いは、希少な野草の採取の考え方に重なります。