化粧水・美容液・乳液・クリームを重ねる順番。
洗顔のあとは、化粧水、美容液、乳液やクリームの順に重ねるのが一般的です。並べる軸は質感で、テクスチャーが軽いものから重いものへ、水分を中心とした製品を先に、油分を含む製品をあとに重ねると、それぞれが肌になじみやすくなります。日中は最後に日焼け止めを使います。順番はなじみやすさの話で、成分の効果そのものが変わるわけではありません。厳密な決まりはなく、肌の状態に合わせて順番を調整してかまいません。アイクリームのように質感が濃い製品は、保湿の工程の早い段階で使うほうがなじみやすいという考え方もあります。
水分と油分の両方を重ねるのは、保湿剤の役割が2つに分かれるためです。化粧水などに入る水分を集める保湿成分(ヒュメクタント)と、乳液・クリームの蒸発をふせぐ膜をつくる保湿成分(オクルーシブ)は、働きが異なります(Rajkumar ら、2023年)。乾燥肌の人がグリセリンとワセリンの両方を含むクリームを使った研究では、どちらか一方だけの場合より、蒸散が少なく水分量も多い結果でした(Vaillant ら、2020年。化粧品メーカーの資金による研究)。乳液やクリームは先に入れた水分をとどめる役なので、厚く塗り重ねるより、表面を軽くおおうくらいの量で足ります(nanakoななこ)。
順番を逆にすると、なじみ方が変わります。保湿剤やオイルを先に使うと、あとの化粧水が油分の膜にはじかれ、なじみにくくなります。反対に油分を含む製品を省くと、与えたうるおいが蒸発しやすくなる場合があります。化粧水や美容液を続けて塗るときも、肌になじむ時間を置かずに次を重ねると、それぞれの成分がなじみにくくなることがあります。成分には働きやすいpHがあり、pHの違う製品を続けて重ねると効果が弱まることがあるとして、重ねる間を少し空ける方法もあります(Wishtrend TV。化粧品ブランドの動画)。
乾燥が気になる部分には、同じ製品を重ね付けしたり、油分の多いクリームを部分的に足したりします。化粧水は肌が乾き始める前につけ始め、物足りなければ時間を置かずにもう一度重ねます。重ねる回数は決まった数にこだわらず、手のひらで軽く押さえて、肌が吸い付くような感触になったかを確かめて決めます(国際エステティシャン みどり先生)。乾燥が強い時期は、美白やエイジングケアのようにはたらきの強い成分の入った化粧水や美容液を、ヒアルロン酸やセラミドなど保湿を中心にした処方へ一時的に切り替えます。クリームのあとに乾きを感じたら、就寝前などにもう一度クリームを重ねて油分の膜を補います。
順番を守ることにこだわりすぎて、乾燥が気になる部分への重ね付けのような必要なケアを省くのも、よくある食い違いです。重ねる量は多いほどよいわけではなく、季節や肌の状態に合わせて量と質感を調整します。グリセリンとワセリンの研究は特定のクリーム1種類を乾燥肌の人が使った結果で、どの組み合わせでも同じ差が出るとは限りません。肌に合うかは、様子を見ながら判断します。
出典
- 動画・英語 Wishtrend TV Find the 1st Step for Your Skincare Routine | Importance of Skincare Steps & Rules of Layering
- 動画 nanakoななこ 【スキンケアの基礎】徹底解説!意外と知らないスキンケアの方法徹底解説!1000円以下のプチプラ優秀スキンケアのみで紹介したよ!日常的にできる毛穴ケアの方法も!【高校生・中学生必見!】【メンズOK】
- 論文・英語 Rajkumar J, Chandan N, Lio P, Shi V(2023) The Skin Barrier and Moisturization: Function, Disruption, and Mechanisms of Repair
- 論文・英語 Vaillant L, Georgescou G, Rivollier C, Delarue A(2020) Combined effects of glycerol and petrolatum in an emollient cream: A randomized, double-blind, crossover study in healthy volunteers with dry skin
- 動画 国際エステティシャン みどり先生 誰でも3日で潤う「パーフェクト保湿ケア」を2万人肌変えたプロが直伝

