睡眠を整える

整える

明日の集中力は、前の晩に決まっている

どんな趣味?

起きる時刻を固定し、朝に光を浴び、寝る前の一時間を暗く静かにする。やっていることは地味な調整ですが、体内時計は光と食事と体温で動くため、この三つに触ると眠りの深さが変わります。効き始めるのは数日から二週間で、記録をつけると、酒を飲んだ日や遅い夕食の翌朝がどれだけ違うかが自分のデータとして見えてきます。

始めるのに要るもの

まず0円でできるのは、起きる時刻を毎日同じにすることと、朝にカーテンを開けることです。買うなら遮光カーテンや耳栓、アイマスクで合計5千円ほど。枕やマットレスは数万円に届くので、生活の側を先に直してから検討したほうが無駄になりません。眠りの記録も手持ちのスマートフォンの機能で足りるため、専用の計測機器は後回しで構いません。

最初の一歩

今週末は、平日と同じ時刻に起きて、起きたらすぐ窓際で光を浴びるところから始めます。寝る一時間前に部屋の照明を落とし、スマートフォンは手の届かない場所へ。二週間、就寝と起床の時刻、夜のカフェインと酒だけを記録をつけると、自分の悪い癖が一つ二つ必ず見つかります。平日と休日の差は1時間以内に収めるのが目安です。

続けるとどうなるか

三週間ほどで、目覚ましより先に目が覚める日が出てきます。続けると日中の眠気や気分の波が小さくなり、運動や食事の効果も出やすくなります。自分に必要な睡眠時間が分かってくると予定の入れ方そのものが変わり、夜の約束を選ぶようになります。寝つきのために運動やサウナを組み込むといった設計もできるようになります。

向き不向き・注意

いびきが強い、日中に強い眠気が出る、夜中に何度も目が覚めるといった場合は、生活の工夫では解決しない病気が隠れていることがあります。長く続くなら医療機関に相談してください。眠らなければと意識するほど眠れなくなるため、記録や数値にこだわりすぎるのも逆効果です。交替勤務や小さな子どもがいる家庭ではそもそも時刻を固定できないという現実的な制約があります。

解説動画: 睡眠不足が体重や認知に出る仕組みと寝室の整え方/NewsPicks /ニューズピックス

概要: 睡眠を研究する専門家が、睡眠不足と体・脳の関係をデータで示しながら、眠れないときの行動、寝室の環境や寝具、寝る前のスマホの扱いまで、聞き手の質問に答える形で解説している。各国の平均睡眠時間の比較で日本は7時間22分の33位という話から入る。

体への影響: 睡眠時間が短いほど代謝の指標が悪化するとして、2週間4時間睡眠にすると1日の摂取が300kcal増え、内臓脂肪が11%増、1か月で1.5kgほど太る実験を挙げる。逆に寝足りない人が平均1.5時間長く寝ると摂取が300kcal減った。睡眠に問題がある人は数年で認知症リスクが約4倍という調査も示す。

不眠との付き合い方: 睡眠不足と不眠症は別物で、不眠症は寝たいのに眠れない状態だと区別する。眠くないのに時間だからとベッドに入るのを繰り返すと、寝室が眠れない場所として条件づけられてしまう。治療では逆にベッドにいる時間を縮める方法をとる。眠くなってからベッドへ行くのが基本の助言。

寝室の整え方: 暗い・静か・適温の三つを挙げる。人の聴覚は特に人の声へ反応するため、テレビや話し声のつけっぱなしは覚醒の合図になる。音楽は1曲で止めるかフェードアウトさせる。朝までエアコンをつけっぱなしは体に悪いというのは誤りで、適温を保つほうが大事。万人に合う寝具というのも嘘だとする。

寝る前の過ごし方: 問題は強い光だけではないとして、SNS、なかでもショート動画を挙げる。次々に送り、コメントもするというやり取りの多さが脳を刺激し続け、寝る時刻が遅くなるという調査を紹介する。退屈な状態に自分を置くと眠くなるので、好きすぎて分析しながら聴いてしまう音楽はかえって目が冴えるとも話す。