ng
二重字(2文字で1つの音)
ngは、舌の奥を軟口蓋まで持ち上げて息を鼻へ通す/ŋ/の二重字で、語頭には来ません。語末のngは/ŋ/ひとつの音で、gは響かせません。ただしfungusやfinger、hungryのようにgが次の音節の頭になる語ではgも響き、longはlongerやlongestになると/ŋg/の音になります。
どう読む?
/ŋ/。アメリカ英語を教える Rachel's English は、あごを少し下げ、舌先は下に置いたまま、舌の奥を軟口蓋まで持ち上げ、息を鼻へ通す音だと説明しています。語頭には来ません。日本語の「ん」は、発話の途中では後ろの音と同じ場所で作られると Maekawa(2021)が述べていて、「りんご」の「ん」はこの音にあたります。
ルール
語末の ng は/ŋ/ ひとつの音で、g は響かせません。Rachel's English によると、舌の奥を上げたまま圧をためて放すと、sing や wrong の最後に「ク」「グ」のような破裂音が付いてしまいます。「あいうえおフォニックス」も、-ing は「イング」ではないと説明し、swimming・morning・something を例にしています。
例外
g が次の音節の頭になる語では g も響きます。fungus のほか、long → longer, longest や finger, hungry も /ŋg/ です。singer は g を響かせず、綴りでは見分けにくく、だいじろー Daijiro は発音記号で確かめると説明しています。英国北部の英語では sing や wrong にも [g] が付く例が増えているとする研究があります(Bailey 2019)。
例語
sing, long, ring, king, thing, morning
出典
- 資料・英語 Rachel's English English: How to Pronounce NG [ŋ] Consonant
- 資料・英語 Rachel's English How to Pronounce the Letters NG – No Hard G
- 論文・英語 Kikuo Maekawa(2021) Production of the utterance-final moraic nasal in Japanese: A real-time MRI study
- 論文・英語 George Bailey(2019) Ki(ng) in the north: Effects of duration, boundary, and pause on post-nasal [ɡ]-presence
- 動画 『あいうえおフォニックス』英語発音 『あいうえおフォニックス』英語 Nの発音(Nで音がおわる時) thin と thing の発音 ~ingはイングじゃない!? [#63]
- 動画 だいじろー Daijiro 第7課: [m]と[n]と[ŋ]の基礎【脱・日本語訛り英語】
解説動画: singer と finger、ng で g を鳴らすかどうか/だいじろー Daijiro
日本語にもある音: ng の音は日本語話者がもともと出せる音だとしている。「とんかつ」の「ん」だけを長く伸ばすと出るのがその音で、singer の ng とまったく同じ。英語に ng で始まる単語は無く、語中と語末に現れるという位置づけも先に押さえている。
singer と finger: 同じ ng でも、singer は g を響かせずこの鼻の音だけで終わるのに対し、finger は g まで発音する。どちらで読むかは単語を調べて発音記号を見ないと分からないので、発音記号を学ぶことはマストだとしている。
日本語の「ん」との違い: 日本語の「ん」はせんべいでは m、メンチカツでは n、とんかつでは ng の音というように何種類もの音をひらがな一文字に集約していて、どれで言っても意味が変わらない。英語はm・n・ng の3つを区別するので、取り違えるとまったく違う音になると注意している。