ph
二重字(2文字で1つの音)
phは、上の前歯を下唇に軽く当てて息を通す/f/を表す二重字で、ギリシャ語由来の語に現れます。もとは息を強く出すpの音をローマ人がphと写したもので、のちにfと同じ音になりました。ただしuphillのように語の切れ目をまたぐ語は別々に読み、Stephenやnephewのphはまれに/f/以外の音になります。
どう読む?
/f/。f とまったく同じ音で、上の前歯を下唇に軽く当てて息を通します。
ルール
ギリシャ語由来の語に現れます。古代ギリシャ語の φ(ファイ)は、もとは息を強く出す p の音で、ローマ人が ph と写しました。Etymonline によると、のちに f と同じ音になり、古フランス語や中英語では f に置き換える傾向がありましたが、古典学習の復活で多くの語が ph に戻されたといいます(fancy・fantastic は f のまま)。
例外
語の切れ目をまたぐときは別々です。uphill は up + hill なので「アップヒル」です。また Etymonline は、Stephen と nephew の古い読みを、ph が /f/ にならないまれな例として挙げています。nephew は本来 /v/ の音で、1400年ごろ以降に綴りが語源と無関係に ph へ変えられ、発音も一部それに寄りました。
例語
phone, photo, graph, elephant, alphabet, physics
出典
- 資料・英語 Etymonline(Douglas Harper) ph
- 資料・英語 Etymonline(Douglas Harper) nephew
- 資料・英語 Etymonline(Douglas Harper) Stephen
- 資料・英語 Patricia T. O'Conner・Stewart Kellerman(Grammarphobia)(2022) Phee-phi-pho-phum
解説動画: ph はどんな語で /f/ と読むか——4つのつづりの使い分け/LEVELUP phonics
/f/ と読むつづりの1つ: この動画は /f/ と読むつづりを f・ph・gh・ff の4通りに整理していて、ph はそのうちの1つとして出てくる。2文字で書くが音は f と同じ /f/であり、どれを書くかは語の出自・音節の数・直前の母音で決まる、という組み立てで説明している。
ph が出る語: ph を使うのはギリシャ語由来の語で、しかも主に多音節の語だとしている。多音節の例として geography を挙げ、音節が3つあることを数えて見せている。ほかの例は phone、nephew、alphabet、graphics、elephant、philosophy、biography。
他のつづりとの違い: 同じ /f/ でも書き分けの条件が違う。f は fan・flat・frog のような1音節の語や chief のように長母音のあとで、ふつうは語頭に書く。gh は rough・tough・cough のようにou や au のあと、ff は off・stiff・cliff のように短母音のあと(フロスルール)だとしている。ph だけは直前の母音ではなく語の出自が条件になる。