sh

二重字(2文字で1つの音)

shは、s と h の2文字をまとめて1つの新しい音/ʃ/に変える二重字で、唇を前に突き出して出す、日本語の「シ」に近い音です。古英語ではscと書かれ、1450年ごろ以降にshの綴りが広まりました。ただしmishapのように語の切れ目をまたぐ語では、sとhを別々の音のまま読みます。

どう読む?

/ʃ/。日本語の「シ」に近い音ですが、唇を前に張り出すぶんだけ違います。「静かに」の「シーッ」がほぼそのままこの音です。アメリカ英語の発音を教える Rachel's English は、歯を近づけ、舌先は前を向けて何にも触れさせず、舌の前から中ほどを上あごへ近づけて息だけを通す(声は出さない)と説明しています。

ルール

s と h が並んだら、それぞれの音を足すのではなく、1つの新しい音になります。これが二重字(digraph)という考え方の入口で、語のどこにあっても読み方は変わりません。英語の事典(Concise Oxford Companion)によると、古英語では sc と書かれ(ship は scip)、sh が一般的になったのは1450年ごろ以降です。

例外

語をまたぐ切れ目では別々に読みます。mishap(mis + hap)は「ミスハップ」で「ミシャップ」ではありません。Etymonline によると、mis- は「悪い」、hap は「運」の意味で、13世紀半ばに古フランス語 mescheance にならって作られた語で、s と h の間が mis- と hap の切れ目です。

例語

ship, shop, she, fish, wash, brush, English

出典

  1. 資料・英語 Rachel's English English: How to Pronounce SH [ʃ] and ZH [ʒ] Consonants
  2. 資料・英語 Tom McArthur S(Concise Oxford Companion to the English Language)
  3. 資料・英語 Etymonline(Douglas Harper) mishap

解説動画: 唇を突き出すshと突き出さないsの作り分け/Yumi's English Boot Camp

sh の口の作り方: 唇をアヒルのように前へ突き出すのが第一のポイントで、自分が思っている以上に突き出すくらいでちょうどいいとしている。舌先は前歯に触れないようキュッと引き、そのぶん舌の奥が盛り上がる。鏡を目の前に置いて口元を見ながら作るよう勧めていて、うるさいと感じるくらい強い摩擦音が響いていなければ、正しい音になっていない。

s との違い: s のほうは唇を突き出さず、口は普通の形のまま。舌先も上げずに下の歯の裏あたりに置き、歯の隙間から強く息を出す。こちらも自分でうるさいと思うくらいで丁度いい。そのうえでsee と she を交互に言って、口の形が変わることを意識する練習をやってみせている。

やりがちなミス: 母音から入ると口が s の方向に行ってしまうので、she は「シー」から始めず、先に sh の口を作ってから母音へ移る。sheep が s で始まる音に、machine が日本語の「マシーン」になりやすいと指摘している。日本語には強い摩擦音が少なく、行儀が悪い気がして音を出し切れない心理的な抵抗があるとも言っている。

練習のしかた: 語頭でも語中でも語末でも、口の形は同じ。まず口を作ってからゆっくり言う練習を繰り返せば、速く言っても自然に同じ口になると説明している。she sells seashells… の早口言葉も速さは要らない—— 速く言えばネイティブでも自分で分からなくなるので、ゆっくり繰り返せばよいとしている。