オリオン座

冬の星座

見え方: 肉眼で見える

オリオン座は、等間隔に並ぶ三ツ星を見つければ、あとは長方形が上下に広がる星座です。

形のたどりかた

先に三ツ星を探します。3度ほどの間に等間隔で並ぶ3つの2等星は、冬の空にほかへ似た並びがありません。見つけたら列と直角の向きへ目を振り、左上の赤い星と右下の青白い星、そのあいだの2星で縦長の長方形を作ります。最後に三ツ星から南へ2度ほどの短い列を垂らすと小三ツ星で、ここが剣にあたります。街の空では長方形の4星までで、小三ツ星は消えます。

目じるしになる星

ベテルギウスとリゲルの2つで、色の違いが肉眼で確かめられます。ベテルギウスは半規則的に明るさを変える赤い星で、0.0等から1.3等のあいだを行き来します。リゲルは0.1等でほぼ一定の青白い星です。1等星は色を感じる細胞が働く明るさなので、2つを見くらべれば赤みと青白さの差が分かります。低い空では大気の揺らぎで色がにじみ、見くらべには向きません。

見ごろの時期と南中高度

2月上旬の20時ごろに南中し、12月から3月の宵に南の空を通ります。三ツ星の赤緯はほぼ0度なので、東京(北緯およそ35.7度)で南中高度は約54度、赤緯プラス7.4度のベテルギウスで約62度になります。赤緯が0度ということは、三ツ星が真東から昇って真西へ沈むということでもあり、星座を探すほかに方角の目安としても使えます。

見える範囲(緯度と空の明るさ)

赤緯がほぼ0度なので、北海道から沖縄まで緯度による差がほとんどありません。札幌でも南中高度は約47度あり、南が少し開いていれば形はたどれます。空の明るさの影響は部分ごとに違い、1等から2等の7星は市街地でも残りますが、小三ツ星のにじみと、まわりを囲む弧の星は光害で真っ先に落ちます。小三ツ星がにじんで見えるかが、その夜の空の目安になります。

星座の中の見どころ

小三ツ星の真ん中がにじんで見えたら、それがオリオン大星雲です。肉眼では星ではない、ぼんやりした点までで、双眼鏡を向けると中心の星のまわりに羽を広げたような淡い広がりが現れます。写真の赤やピンクは、目にも双眼鏡にも出ません。暗い光を受け持つ細胞が色を区別しないためで(暗所視)、届くのは灰色がかった白です。同じ一帯にある馬頭星雲も、肉眼と双眼鏡には姿を見せません。

名前と物語

由来

この巨人狩人の生まれには、変わった話が伝わります。子のいない老人ヒュリエウスをゼウスたちがもてなしたお礼に、神々が牛の皮に力を注いで土に埋めたところ、そこからオリオンが生まれたとされます。成長したオリオンは自慢の腕前から「地上の獣を狩り尽くせる」と豪語し、その罰として送られたさそり座の毒針に刺されて命を落としたという話が伝わっています。

和名と人が使ってきたこと

熊本や愛媛など各地の農村では、三ツ星と小三ツ星を結んだL字を農具に見立ててからすき星と呼び、江戸時代にはすでに田畑を耕す時期の目じるしにしていたと伝わります。オリオン座全体を指す鼓星という古い呼び名もあります。赤いベテルギウスと青白いリゲルは、それぞれの色から平家星、源氏星とも呼ばれてきました。

正体と距離

ベテルギウスとリゲルは、隣り合って見えても正体は正反対です。ベテルギウスは約640光年先にある、水素を使い果たして膨張しきった晩年の赤色超巨星で、いつ超新星として爆発してもおかしくない段階にあります。リゲルは約860光年とさらに遠く、こちらはまだ若く燃え盛る青色超巨星です。同じ巨人の体の中に、年老いた星と若い星が同居しています。

変わるもの

ベテルギウスは、天文学的な時間の単位で見れば遠くない将来に超新星として爆発すると考えられている星です。爆発すれば数週間から数か月のあいだ、昼間でも見えるほど明るく輝いたのち、次第に暗くなって肉眼から消えていきます。そのときオリオンの右肩は欠け、三ツ星とリゲルだけが残る、今とは違う形になります。