作戦篇
十三篇
篇: 上巻 第二
作戦篇は、大軍を動かす費用を数字で示し、戦は長引かせるより速く終えよと説く篇。
原文と書き下し
「馳車千駟、革車千乘、帶甲十萬、千里饋糧」(馳車千駟、革車千乗、帯甲十万、千里に糧を饋る)。「日費千金、然後十萬之師舉矣」(日に千金を費やし、然る後に十万の師挙がる)。「兵聞拙速、未睹巧之久也」(兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり)。「食敵一鍾、當吾二十鍾」(敵に食むこと一鍾は、吾が二十鍾に当たる)。「兵貴勝、不貴久」(兵は勝つを貴び、久しきを貴ばず)。
原文の意味
原文は、十万の軍を起こすには車と兵と千里の糧のほか内外の費や賓客の用もかかり、日に千金を費やすと始める。長引けば兵は鈍り力も財も尽き、諸侯が弊に乗じて起つので、拙くても速い戦いは聞くが、巧みで久しい戦いは見ないと言う。用兵の害を知り尽くさない者は、利も知り尽くせないとする。国から用を取り糧は敵に因ると言い、敵に食む一鍾は自国の二十鍾に当たるとして、兵は勝を貴び久しきを貴ばずと結ぶ。
篇の中での流れ
十三篇の第二。十一家注本の頁の経文は、費用、長期戦の害、拙速の句、国から用を取り敵に糧を因る段、遠輸で民が貧しくなる段、務食於敵、敵から得た車と卒の扱いの順に進み、兵貴勝と知兵之将で終わる。久しければ兵が鈍ると述べる段の頭は、十一家注本の頁が「其用戰也勝」、通行本の頁が「其用戰也、貴勝」。神藤猛(2023)は、この篇と第十二の火攻篇を結んで読む構造を、仮説として検証する。
注釈で読みが割れるところ
馳車と革車を、曹操は軽車と重車、張預は攻車と守車、李筌は戦車と軽車と注す。「一鍾」は曹操が六斛四斗と注し、杜牧は、秦は三十鍾で一石、漢は十余鍾で一石を致した例を注に引く。ほぼ同じ句が『史記』の主父偃の上書と平準書にもある。「拙速」は、曹操が拙くても速く勝つこと、杜牧が機智に拙くても神速を上とすることと注し、どちらも速さを取る。
よくある言い換えとのずれ
くぼ店長の仕事術(YouTube)は、この篇を短期決戦の話とし、出来が悪くても早く出す例に企画書、敵の糧を使う話に居抜き物件を挙げる。やくれきは、前もって費用と危険を見積もり、進めるなら速くと言い換える。原文の「拙速」は、兵を久しく出す害の話で、何氏は「久は巧でも後患を恐れる」と注し、張預は久しければ師が老い財が尽きると注す。
解説動画: 孫子の兵法②~作戦篇~短期決戦こそが理想の考え方 世界最高の人間関係戦略書について解説/くぼ店長の仕事術
短期決戦を商売の例に言い換える: 作戦篇を短期決戦の話とまとめ、出来が悪くても早く動く例に新規事業の企画書、敵の糧を使う話に居抜き物件、近くに2号店を出す話を挙げる。
解説動画: 【2計/全13計】努力は無駄か?|孫子兵法「作戦篇」 に学ぶ"勝つ人の準備力"【歴史×ビジネス】2/13/【やくれき】なんの役にも立たない歴史
費用とリスクの見積もりに言い換える: 経文の読み下しと現代語訳を読み上げたうえで、「勝敗は戦う前に決している」から、プロジェクトの費用とリスクを事前に見積もる寸劇に広げる。