水温が上がったまま下がらない
数字が動いたとき
判定: すぐ手を打つ
水温が上がると、酸素が減り、アンモニアの毒性は上がります。一つの数字が二つの危険を同時に連れてくるので、水温は真っ先に下げにいきます。
どう見えるか・どんな数字か
日中に30℃を超え、夜になっても28℃までしか戻らない日が続きます。曝気を変えていないのに溶存酸素の値だけが下がり、明け方の谷が深くなります。魚はえらの動きが速い状態が長引き、株は昼にしおれて夕方に戻ります。水量の少ない系ほど、外の気温に一日で追いつかれてしまいます。日陰に置いた系との差は、同じ日でも数℃になります。
何が起きているか
水温が上がると、水が抱えられる酸素は減り、魚の代謝は上がります。供給が落ちて需要が増える形になります。同時に、同じ濃さのアンモニアでも毒性の強い非イオン性アンモニア(NH₃)の割合が増えます。硝化菌の側は25〜30℃で最もよく働くので、先に困るのは魚と根のほうです。根が茶色くぬめるは、この先にあります。
どうするか
まず日射を切ります。水面と配管に日が当たる面を覆うのが、いちばん効く物理の手当てになります。次に曝気を足し、落ちたぶんの酸素を戻します。餌を減らすと、代謝で使われる酸素と出てくるアンモニアが同時に下がります。水量を増やせば、一日の振れそのものが小さくなります。手を打った日は測る回数を増やし、下がったかどうかを数字で確かめます。氷を入れて急に動かしません。
起こさないために
夏に入る前に日よけを立て、置き場所を決め直します。目安は温水性の魚で18〜29℃、冷水性の魚で13〜18℃で、ここを外れる季節が来る場所では、魚のほうを選び直すことになります。先に効くのは冷水性の側で、ニジマスは夏の室温がそのまま壁になり、イワナは20℃を超えると弱ります。水温計は入れっぱなしにし、最高と最低が残る形で記録します。
どこまで確かめられているか
11℃の水は27℃の水より約4割多く酸素を抱えることはNMSU Guide W-104 によります。温水性18〜29℃、冷水性13〜18℃、野菜は21〜24℃と、硝化菌が最もよく働く25〜30℃はNMSU Circular 680(どちらもSallenave 改訂)によります。日よけで何℃下がるかは規模と日射で変わり、実測は見当たりません。