ECが上がり続ける

数字が動いたとき

判定: このまま様子を見る

ECの上昇そのものは、魚にも株にもすぐには効きません。足し水で何が濃くなったのかを、硝酸とKHの動きから読み分けます。

どう見えるか・どんな数字か

週ごとに0.1や0.2mS/cmずつ、値が上へ動き続けます。魚にも株にも、その週のうちに見える変化はありません。足し水をした直後だけ少し下がり、数日でまた戻っていきます。器具に白い粉がこびりつくが同じ時期に出ることもあります。一度も換水していない系ほど、上がり方はまっすぐになります。測る時刻や水温をそろえていないと、上がっているのかどうかも読み取れません。

何が起きているか

EC(電気伝導度)は、何かが濃いとしか言わない数字で、何が濃いかは別に測らないと分かりません。蒸発で出ていくのは水だけなので、足し水を続けるほど、溶けていたものは残って濃くなります。株が吸う速さが追いつかなければ硝酸も積み上がり、硬い水を足していればカルシウムとマグネシウムも一緒に増えていきます。

どうするか

同じ日に硝酸とKHを測り、上がっているのがどちらかを見ます。硝酸が一緒に上がっていれば株か床が足りないので、硝酸だけが増え続けるの側から当たります。KHと硬度が上がっているなら、元は足し水の水質のほうです。どちらでもなければ4分の1ほどを入れ替え、傾きが折れるかを見ます。魚に効く濃度の話へ飛ばしません。

起こさないために

足し水に使う水のEC・硬度・アルカリ度を、最初に一度測って控えておきます。入ってくる側を知らないと、増えたぶんの出どころが読めません。水面を覆って蒸発そのものを減らすと、足し水の回数も減っていきます。ECは週に1回、同じくらいの水温で測ります。値は水温で変わるので、条件をそろえないと傾きが読めません。

どこまで確かめられているか

アクアポニックスのECに、魚を基準にした目安を置いた普及資料は見当たりません。NMSU Circular 680 の表にもECの欄はありません。8週間のNFTでコリアンダーを育てた比較では、アクアポニックス側のECは1.48mS/cmから0.696mS/cmへ下がりました(Al Jenaid ら 2026・アラブ首長国連邦)。株が吸えば下がる数字だと分かります。

解説動画: 【野菜の水耕栽培】夏の水耕栽培これを知らなきゃ失敗する EC値と水温管理/サラリーマンの水耕栽培

夏に上がる理由: 「なぜECが毎日上がるのか」という質問への答えとして、動画は水だけが蒸発して、溶けているものが残るからだと述べます。もとは1400ほどに合わせていた容器が、測ると2477まで来ていました。上がること自体は夏の水耕では普通の状態なので、そこは気にしなくてよい、と言い切ります。

濃さより水温: EC(電気伝導度)が上がっているときは、水そのものも温まっていることが多い、と動画は続けます。水温が上がると酸素が減り、雑菌が増え、養分を吸う速さも鈍る。上がっていいことは無いという言い方です。適した範囲は15〜25℃で、27〜28℃を超えない、真夏でも30℃は超えさせないところに線を置きます。

足すか、入れ替えるか: 容器が小さければ水をすべて新しいものに取り替える、大きければ減った分を足す。足せば水温も下がり、濃さのほうも落ち着くと述べます。測る道具が手元にない場合は、水が減ってきたら全部替えるという決め方でよい、とも補います。値を追うより、器の側で手当てを決める形です。

置き場所で防ぐ: 室内ではカーテンで日を遮り、涼しい部屋に置く。屋外は直射日光を避けて日陰へ移し、断熱の効く発泡スチロールの容器を使うと水温の上がり方が抑えられる、と動画は挙げます。気温が40℃近い日は玄関や室内へ避難させる。暑さが度を越すとどんな手にも限界がある、とも述べています。

数字より蒸発を見る: 高温で株を枯らしてしまったあとは容器を洗って乾かしてから使う、水の補充は1日2回、と動画は結びます。水温が上がりすぎた鉢でも、短い時間のうちに戻せれば持ち直すことがあるとも。上がり続ける値そのものより、蒸発と水温の側を見る——この項目と同じところへ着地する動画です。