pHが高いまま動かない

数字が動いたとき

判定: このまま様子を見る

pHが高いまま動かないと、先に困るのは魚ではなく株です。鉄が効かなくなる一方で、魚と硝化菌には悪くないので、急いで下げにかかりません。

どう見えるか・どんな数字か

7.6や8.0といった値が、何週間測っても同じところで止まります。硝化が回っている系ではpHは下がるほうへ動くので、動かないこと自体が印になります。アルカリ度を測ると高めに出ます。株の側では新芽だけが黄色く、葉脈が緑に残るが先に見えることがあり、魚の側には変わったところがないまま日が過ぎていきます。

何が起きているか

高いまま動かない理由は三つあります。硬い水道水や貝殻など石灰質の資材が入っていて、酸が出ても押し戻されている場合。酸素のない場所ができて脱窒が起き、そこがアルカリ度を作り返している場合。あるいは硝化が出す酸がまだ出ていない場合で、立ち上げ途中なら酸を作る側が育っていないだけということもあります。魚と硝化菌には悪くありませんが、pHが高いと鉄が沈んで株に届かなくなります。

どうするか

急いで下げません。7.5より上は硝化菌にとってむしろ働きやすい範囲で、下げにかかるほうが揺り戻しを招きます。床と配管に石灰質の資材が入っていないかを見て、次に沈殿槽と床の泥を抜きます。酸素のない場所が減れば脱窒も止まります。アンモニアが1mg/Lを超えているときだけは、先に餌を止めます。下げる必要が出てきたときも、1日0.2ほどを上限に数日かけて動かします。

起こさないために

培地には、酸に溶けて水を硬くする石を選びません。石灰岩や大理石はここで外れます。足し水に使う水のアルカリ度と硬度を最初に一度測っておくと、あとの原因さがしが短く済みます。目安は硬度50〜100mg/L、アルカリ度100mg/L前後。沈殿槽は週に2回さらい、床に固形物を溜めません。溜めれば酸素のない場所が増えます。

どこまで確かめられているか

高いまま動かない元として硬水・石灰質の資材・脱窒の三つを挙げているのは、NMSU Circular 680(Sallenave 改訂)です。同じ資料に硝化菌はpH7.5より上、株は6.5より下でよく育つとあり、どちらを取るかで最適が割れることが分かります。高いpHが続いた系で鉄の欠乏が何週目に出るかは測られていません。