はと座
冬の星座
見え方: 空が暗ければ肉眼で
うさぎ座のさらに南、地平線の近くを通る小さな星座です。2.6等のα星ファクトが目じるしですが、低い空を通るため等級どおりの明るさでは見えません。
形のたどりかた
南へ降りる順に覚えます。オリオン座の三つ星からリゲルへ、そこからうさぎ座の四角へ下り、さらに同じだけ南へ送ると2.6等のα星ファクトに届きます。α星とβ星を含む五つの星が東西へゆるく伸びる短い列を作り、これが鳩の胴と翼にあたります。三つ星から数えて三段目まで下がるので、南が開けていない場所では列の途中で切れ、そこから先へ進めません。
目じるしになる星
2.65等のα星ファクトと3.12等のβ星ワズンが、列の東半分を作ります。ファクトは青白い高温の星ですが、低空を通るため赤みを帯びて明滅して見えることがあります。同じ2.6等台のうさぎ座のα星と見比べると、高さの差だけでどれだけ暗くなるかが分かります。理科年表に載った等級と目に届く印象がずれること自体が、この星座で確かめられる中身です。
見ごろの時期と南中高度
2月上旬の20時ごろに南中します。α星の赤緯はマイナス34度で、東京での南中高度は20度ほどと計算できます。1月から2月の宵の、薄明が終わってから南中を過ぎるまでの一時間ほどが実質の見ごろで、そこを外すと高度は10度台へ落ちます。南が海や田で開けた場所なら、同じ2月でも見える星の数が変わります。時期より場所が効く星座です。
どこまで見えるか(緯度と空の明るさ)
この星座は、低い空で星の光がどれだけ削られるかを試す場所です。大気減光は高度が下がるほど強く、高度20度では大気を通る距離が天頂の約3倍になり、0.5等ほど暗く見積もられます。2.6等のファクトが3等台の見え方に落ちるため、市街地の南の空では列そのものが消えます。南中高度は札幌で13度ほど、那覇で30度ほどと、緯度でも差が出ます。
この中にある見どころ
NGC1851は7.3等の球状星団で、双眼鏡では小さなしみに留まり、星の粒には分かれません。赤緯マイナス40度という位置なので、東京からは南中しても高度14度ほどにしかなりません。もう一つのμ星は秒速100キロを超えて銀河系を横切る暴走星で、オリオン座の方向から放り出されたと考えられています。見た目ではなく由来の見どころで、目には5等の星が一つあるだけです。