スズメノカタビラ
秋冬に見る草
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 一年中
冬の舗装の目地で緑のまま残る、小さな柔らかい株です。多くの草が枯れた季節に白っぽい穂を上げているのはこの草であることが多く、街で最も見つけやすい越冬組にあたります。
ここだけ見る(決め手)
小さく柔らかい株と、白っぽく三角形に開く穂の二つで決まります。高さは5〜30cmほどで、穂は茎の先から枝を斜めに出し、正面から見ると三角形の輪郭になります。葉の先は舟の先のように丸くとがり、中脈の両側に薄い筋が通ります。踏まれる場所では草丈が数cmでも花をつけるので、大きさでは決めずに花序の形を見ます。
いつ、どこに出るか
ほぼ一年中花をつけます。秋に芽生えた株が冬を越して春に多く咲き、夏に減って秋にまた増えますが、都市部では真冬にも穂を上げた株が見つかります。ほかの草が枯れて地面が茶色い時期はかえって見つけやすく、目地の線に沿って点々と緑が続いていればこの草です。出る場所は舗装の目地、側溝のふち、芝地、花壇の縁で、人がよく歩くところほど背が低くなり、踏まれない植え込みの中では立ち上がって伸びます。
よく似た草との違い
穂の形で分けます。スズメノテッポウは穂が細い円柱形で枝を出さず、湿ったところに春だけ出ます。イチゴツナギの仲間は穂の枝が長く伸びて全体が細長い三角形になり、株も大きくなります。同じ場所に出るメヒシバは夏の草で、穂が指を開いたように何本も分かれるので、季節と穂の分かれ方で切り分けられます。
触れたらどうなるか
葉にも穂にも刺や毛はなく、茎を折っても乳液は出ないため、触れて起きることは特に知られていません。イネ科なので花粉は出しますが、秋の花粉症で名の挙がるのはカモガヤなど大型のイネ科で、この草の花粉が問題になったという報告は見当たりません。ただし側溝や路肩の株は泥や犬の尿をかぶっているので、しゃがんで葉を触ったら手を洗います。
増え方
種子だけでふえる一年草です。芽生えから短い期間で穂を上げ、年に何度も世代を重ねるため、抜けた跡の目地にもすぐ次の株が入ります。踏まれると地際で枝分かれして横に広がり、刈られた芝地では刈り高より低い位置で穂をつけて残ります。種子は靴底や車輪の泥に混じって運ばれ、オオバコと同じく人の通る場所ほど数を増やします。