ヒガンバナ
秋冬に見る草
触れたときの扱い: 樹液・毛・汁に注意(触れたら洗う) / 見ごろ: 秋(9〜11月)
葉のない茎の先に、赤い花が輪になって咲きます。花が終わってから細い葉が伸び、その葉のまま冬を越すという逆さの順番を持つ草です。
ここだけ見る(決め手)
花の時期に葉が一枚もないことが決め手です。何もない地面から30〜50cmの花茎が立ち、先端に6枚の細い花被片が強く反り返る花が数個、輪になって並びます。長く突き出た雄しべが、全体を線の束のように見せます。花が終わってから濃い緑の細い葉が伸び、冬を越して春に枯れるため、花と葉が同じ日に見られません。
いつ、どこに出るか
咲くのは9月の彼岸の前後で、開花はほぼ一斉に起こり、数日で野原の色が変わります。場所は田の畦、土手、寺社や墓地の周り、公園の植え込みの縁で、人が植えた列がそのまま残っている例が目立ちます。花のあと10月から翌春まで細い葉が伸び、他の草が枯れた冬に緑の帯として残ります。冬にこの葉を覚えておくと、翌年どこで咲くかが先に分かります。
よく似た草との違い
迷いが起きるのは花ではなく葉の時期です。厚生労働省「有毒植物による食中毒に注意しましょう」はこの草を挙げ、間違えやすい植物としてニラ・ノビル・タマネギを並べています。同省の集計では過去10年で1件、患者2名です。街の植え込みではスイセンの葉とも並び、事情はスイセンとニラの取り違えと同じで、葉だけの時期に手を出さないのが現実的な線引きになります。
触れたらどうなるか
触れる話の中心は地下の鱗茎と、折れた茎から出る汁です。厚生労働省は有毒植物としてこの草を掲載し、鱗茎に成分が多いとしています。花や葉に軽く触れて皮膚炎が起きたという報告は目立たない一方、汁のついた手で目や口に触れる経路は避けます。摘まない、掘らないのが一番手前の線で、触れたら水と石けんで洗います。子どもが花や球根を口へ運んだときは子どもが実を口に入れたときに沿って動きます。
増え方
日本で見る株は三倍体で種子をほとんどつくらないことが知られており、増え方は鱗茎が分かれる動きに偏ります。同じ場所でかたまりが年々太り、畦や土手に一列で並ぶ群れは、人が植えて広げた跡であることが多い草です。移動は人の手か水で、土ごと動かされたり、大水で鱗茎が流されたりして新しい場所に着きます。持ち出さない扱いは、増え方の面から見ても筋が通ります。