カラスウリ

秋冬に見る草

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 秋(9〜11月)

冬のフェンスに残る朱色の実で見つける草です。花は夏の夜だけ開くレース状の白い花なので、昼に探しても見つかりません。

ここだけ見る(決め手)

探すのは実です。長さ5〜7cmほどの卵形で、秋に緑から朱色へ変わり、葉が落ちたあとのフェンスや低木の上にぶら下がったまま残ります。つるは巻きひげで他の枝に絡み、葉は先が3〜5つに浅く裂けて表面に短い毛があります。花は夏の夜だけ開く白いレース状で、雌雄異株のため実がつくのは雌株だけです。学名は YList で Trichosanthes cucumeroides です。

いつ、どこに出るか

実が朱色になるのは10月から12月で、葉が落ちて枝だけになったフェンスや生垣の上がいちばん見つけやすい状態です。花は7月から9月の日没後に開き、朝までにしぼみます。昼に同じ場所を探しても白い花が見当たらないのはこのためで、昼はしぼんだ花の跡と巻きひげを追い、夜に来られるならLEDハンディライトで確かめます。生える場所は林の縁、河川敷、空き地の柵沿いです。

よく似た草との違い

キカラスウリは実が黄色く、ひとまわり大きく、葉の表面がつるりとして毛が目立ちません。花のレースの糸が太く、朝までしぼまずに残ることもあります。アマチャヅルはつるも巻きひげも似ますが、葉が5枚の小葉に分かれた掌状で、実は直径7mmほどの黒い球です。実の色と大きさ、葉が裂けているか分かれているかの二点で足ります。

触れたらどうなるか

実にもつるにも葉にも、触れて症状が出たという報告は見当たりません。葉の表面には短い毛がありますが、刺さる毛ではありません。困るのは触り心地より熟した実をつぶしたときの粘る果肉と汁で、手や服につくと落としにくく、つぶさずに枝ごと眺めるのが後始末の少ないやり方です。フェンスの実へ手を伸ばす場面では、絡んでいるカナムグラの逆向きのとげのほうが手を切ります。

増え方

広がりは実と地下の両方です。朱色の実は冬まで残り、鳥がついばんで種子を落とします。種子は打ち出の小槌に似た独特の形で、下に落ちたものは翌年その場から芽を出します。地下には太い塊根ができ、地上のつるが枯れても翌夏に同じ根から伸び直します。つるは一夏で数mに達し、フェンスや低木の上を這って面を覆うため、一株が広い範囲に実をさげているように見えます。