ジャノヒゲ

秋冬に見る草

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 冬(12〜2月)

冬に葉をかき分けると、瑠璃色の球が出てきます。これは果実ではなく、皮が破れて外へ現れた種子そのものです。

ここだけ見る(決め手)

決め手は冬に葉の根元へ隠れている瑠璃色の球です。これは果実ではなく、未熟なうちに果皮が破れて露出した種子で、直径は7mmほど、表面に金属のような光沢があります。葉は幅2〜3mmの細い線形で、垂れながら株をつくります。花は初夏に葉の間で下を向いて咲き、淡い紫か白で小さく、目の高さに来ないため気づかれません。YList の標準和名は Ophiopogon japonicus、別名リュウノヒゲです。

いつ、どこに出るか

球が見えるのは11月から2月で、株を手でかき分けないと現れません。植えられるのは植え込みの根元、街路樹の足元、階段や縁石の際で、常緑のまま一年中同じ姿なので、冬に色を持つ数少ない地面の草になります。手入れされた場所から歩道の際へこぼれて残ることも多く、誰も世話をしていない縁石の隙間で球をつけている株が見つかります。

よく似た草との違い

並べられるのはヤブラン(Liriope muscari)で、同じクサスギカズラ科の別属にあたり、株立ちの細い葉を広げる姿もよく似ます。分かれ目は実と葉幅で、ヤブランの球は黒くて艶があり、葉は幅8〜12mmと明らかに広く、夏に紫の穂が葉の上へ立ち上がります。ジャノヒゲの花は葉に隠れる高さにとどまります。冬に球の色を見るのが一番早い分け方です。

触れたらどうなるか

葉、種子、地下の根まで、刺激が知られた部位はありません。葉の縁はざらつきますが切れる鋭さはなく、素手でかき分けられます。気をつける相手は草そのものより株の間に落ちている小枝やガラス片で、かき分けるならニトリル手袋を一枚はさむと後始末が短くなります。瑠璃色の球は子どもが口へ運びやすい大きさと色なので、飲み込んだ場合は子どもが実を口に入れたときに沿って動きます。

増え方

地下の細い走出枝が横に伸びて、少し離れた場所へ新しい株を上げます。植え込みの下でいつのまにか隙間が埋まるのはこの動きで、一株植えた場所が数年で面になるため、下草として使われます。種子は落ちた場所で根を下ろすか、鳥に運ばれる経路で移り、縁石の隙間や側溝のふちに一株だけという現れ方をします。刈り込まれても地際で耐え、スズメノカタビラと同じく踏まれる場所に残ります。