軽めから始めて、こなせた回数を見ながら重さを上げていく。
筋トレを始めたばかりの人がまず迷うのは、スクワットやベンチプレスに「何キロで入ればいいか」です。体重の何割、という決まった目安は無く、同じ種目でも扱える重さは体格・経験・関節の柔らかさで大きく変わります。確実なのは、重さを先に決めるのではなく、決めた回数をやり切れるかどうかで重さを決める順番です。
バーベルを使うスクワットやデッドリフトは、プレートを付けない空のバーから始めて構いません。トレーニング指導者のtrainer winnyは、初心者向けの動画で、デッドリフトに苦戦するなら空のバーから持ち上げればいいと勧めています。スミスマシンやチェストプレスマシンのように軌道が決まった器具も、重りを付けない軽い状態から様子を見て構いません。重さを出すより先に、しゃがむ・押す・引くという動きそのものを体に覚えさせるのが最初の目的だからです。
次に、決めた重さで12〜15回を1セットこなします。見るのは挙がったかどうかだけでなく、まだ何回続けられそうかという余裕です。トレーニング指導者のMagnus Methodは、初心者のうちは重さを落として回数を多めにし、動きのパターンを身につけることを勧めています。余裕が大きければ次のセットか次回に少しずつ重さを足し、12〜15回の終わり2〜3回で、フォームを崩さずぎりぎり踏ん張れる重さに近づけます。
「あと何回いけそうか」という見積もり(レップ・イン・リザーブ)は、経験が無いと使えない特別な技術ではありません。経験18か月未満の初心者8人と経験者8人がスミスマシンのスクワットを70%1RMの重さで行って比べた研究では、あと何回挙げられるかを見積もる正確さに経験の有無による差は見られませんでした(Droguettら、2026)。重さを決めるこの感覚は、始めたその日から使ってよいということです。
最後に、毎回のセットの重さと回数を記録に残し、重さを足す時機を決めます。米国スポーツ医学会(ACSM)の指針は、初心者の重さを8〜12回が限界になる範囲に置き、決めた回数より1〜2回多くこなせたら2〜10%重くするよう勧めています(ACSM、2009年)。ベンチプレスを40kgで10回の予定が12回できたなら、次は41〜44kgの間、プレートの刻みに合わせて42.5kgに上げる、という使い方です。最初の数週間は、重さの数字そのものより、決めた回数を同じフォームで終えられるかを優先します。
出典
- 動画・英語 trainer winny Step by Step Beginner Gym Guide (Full Training Plan + All You Need To Know)
- 動画・英語 Magnus Method Beginner's Guide to the Gym | DO's and DON'Ts
- 論文・英語 Droguett FAB, Festa RR, Quintana NAT, Gomez-Lopez J, Ojeda ÁH, Farias-Valenzuela C, Giakoni-Ramírez F, Jofré-Saldía E(2026) Objective Accuracy in Estimating Repetitions in Reserve in the Back Squat: An Analysis between Experienced vs. Novice Subjects
- 論文・英語 米国スポーツ医学会(ACSM)(2009) American College of Sports Medicine position stand. Progression models in resistance training for healthy adults



