アップライトロー
肩
器具: バーベル / 難易度: 中級
アップライトローは、肩の中部と僧帽筋を同時に狙う引き上げ種目
効く筋肉
三角筋中部と僧帽筋の上部が主働で、上腕二頭筋も補助します。Jeff Nippard は、肘の曲げ幅が小さいので肩と僧帽筋の種目として考えるよう話しています。筋トレ歴のある男性16人が、同じ重さ(肩峰間距離の握り幅での1RMの85%)で握り幅を肩峰間距離の50・100・200%に変えた筋電図では、握りが広いほど三角筋と僧帽筋の活動が高く、上腕二頭筋は低くなりました。
やり方
足を肩幅に開き、順手でバーを持って太ももの前で構え、体幹を締めます。手首ではなく肘で引き、バーを体に近づけたまま、まっすぐ上ではなく外と上へ引くつもりで上げ、肘が肩の高さに来たところで止め、コントロールしながら下ろします。Jeff Nippard は、握りは肩幅の1〜1.5倍、回数は8〜12回が目安で、重すぎると腰や股関節の反動が入ると話しています。
フォームの注意点
肘を肩の高さより上へ引くと、肩の中で腱が骨に挟まれやすい姿勢になるとされます。Jeff Nippard は肩の高さ(90°)未満で止めるよう勧めています。男性77人(筋トレ習慣のある46人と筋トレ歴のない31人)を調べた研究でも、90°を超えるアップライトローやサイドレイズと肩峰下インピンジメントの所見に関連がありました(原因とは言えません)。違和感が続くなら中止して医療者に相談してください。
バリエーション・代替種目
Jeff Nippard は、ケーブルアップライトローのロープ版を好み、バーより肩の動きの自由度が高く、ロープを左右へ引き離す意識で肩の外側に入ると話しています。ほかに、ベンチに手をついて片手ずつ行うダンベル版は、肘を曲げてよいぶんサイドレイズより重く持てると説明しています。Buff Dudes は、握りを狭くすると僧帽筋と三角筋前部に、広くすると外側にやや寄ると述べています。
出典
- 論文・英語 McAllister MJ, Schilling BK, Hammond KG, Weiss LW, Farney TM(2013) Effect of grip width on electromyographic activity during the upright row
- 論文・英語 Kolber MJ, Cheatham SW, Salamh PA, Hanney WJ(2014) Characteristics of shoulder impingement in the recreational weight-training population
- 動画・英語 Jeff Nippard How To Fix The Upright Row: Avoid Shoulder Pain & Maximize Growth
- 動画・英語 Buff Dudes How To Perform the Upright Row - Exercise Tutorial
解説動画: 肘を曲げるか伸ばすか:サイドレイズとアップライトローの狙い分け/おかずもちの筋肉生活【持田教利】
概要: 肩を鍛えるとき、肘を伸ばすか曲げるかで三角筋のどこに効くかが変わるという解説。ダンベルが肩から遠いほどテコの原理で遠い側、つまり三角筋の停止部に効き、体に近いほど付け根の基部に効く。肘を曲げて体の近くを通すアップライトローは、肩の付け根や首寄りを狙う種目だと位置づけている。
肩のポジションを先に作る: 肩が前に出ていると三角筋にテンションが乗りにくいので、肩を斜め後ろに引く。このとき股関節ごと前に出てしまうと肩の位置は変わらないままなので、軸を後ろに引いて背骨を後方重心にする。下腹の力が抜けて腰が反るのもよくないため、腹に少し力を入れて腰をフラットに保つ。
上腕骨の向きと肩甲骨: ダンベルを遠くに置いたまま内旋させて上げると、肩関節や肩鎖関節を痛めやすいと言われる。体の近くに寄せて上腕骨を少し内旋させ、肘を上へ引き上げると肩甲骨が一緒に上がり、上まで収縮をかけられる。外旋のまま上げると肩甲骨が固定されて途中から三角筋の負荷が抜け、詰まる感じやパキッという音が出やすい。
握りは軽く、外に弾く: 強く握り込むと前腕や僧帽筋に力が入り、三角筋に入りにくくなる。パワーグリップなどで指に引っ掛ける程度にして、握るのではなく外へ弾く感覚で動かすと、ダンベルからではなく肘から動くようになる。手首を自分で巻こうとすると前腕に力が入ってしまう。
サイドレイズと組み合わせる: 1発目は肘をほぼ伸ばしたまま外に弾いて停止部に乗せ、2発目は体の煽りを使ってアップライトローに切り替えるという2段階のやり方を勧めている。アップライトローは反動を使える分普段のサイドレイズより重い重量を扱える。先に停止部の感覚を作ると肩のポジションがはまるので、いきなり行うと僧帽筋に入ってしまう人でも三角筋に乗せやすい。軽すぎる重量では軸ができず腕で動かしてしまうため、反動込みで扱える最大重量と回数を把握しておくとよいとしている。