アーノルドプレス

肩

器具: ダンベル / 難易度: 中級

アーノルドプレスは、手のひらを返しながら押す、可動域の広いプレス

効く筋肉

三角筋前部 を主に使い、回旋を伴うので 三角筋中部 も動員されます。押し切る局面では 上腕三頭筋 が働き、回外から回内へ手を返す分、通常のプレスより可動域が広くなるのが特徴です。2017年にインドの大学のチームが、体育系の男子学生10人に通常のダンベルショルダープレスとアーノルドプレスを行わせ表面筋電図を比べたところ、三角筋前部・中部ともアーノルドプレスのほうが活動量が高かったと報告しています(要旨に有意差の記載はありません)。

やり方

ダンベルの手のひら側を自分に向け、胸の前に構えます。吐きながら肘を開きつつ手のひらを前へ返し、頭上で押し切ります。戻すときは同じ軌道を逆にたどり、10回前後を3セット。下ろしに2秒かけると効きます。

フォームの注意点

回す動作を速く行うと肩に引っかかりが出やすく、痛みの原因になります。重量は通常のプレスより2〜4kg軽く設定し、回旋と挙上を分けずになめらかにつなげることを優先してください。海外の筋トレ系チャンネルATHLEAN-Xは、肘を体の前に保つ間は三角筋前部に、真横まで開くと三角筋中部に効きやすいと説明し、肘を体の後ろまで開いて首の後ろへ下ろす形は肩関節に余計な負担がかかると注意しています。

バリエーション・代替種目

肩を大きく使いたくない日は ダンベルショルダープレス に戻します。座って背もたれを使えば腰の負担が減り、立位で行うのは動作を完全に覚えてからが安全です。

出典

  1. 論文・英語 Raizada S, Bagchi A(2017) Comparison among the EMG Activity of the Anterior Deltoid and Medial Deltoid During Two Variations of Dumbbell Shoulder Press Exercise
  2. 動画・英語 ATHLEAN-X™ Stop F*cking Up The Arnold Press (PROPER FORM!)

解説動画: アーノルドプレスのフォームと、ショルダープレスとの違い/SPM KATO

概要: ダンベルで行う肩の種目で、手のひらを自分に向けた、ダンベルカールのトップに近い位置から始める。押し上げながら手のひらをくるりと返し、頭上では通常のダンベルショルダープレスと同じ形になる。戻すときは同じ回転を逆にたどる。ひねりを加える分、普通のショルダープレスより難易度は高い。名前は現役時代にこの種目を好んで行っていたアーノルド・シュワルツェネッガーに由来する。

ショルダープレスとの違いは可動域: 鍛える筋肉は同じ三角筋で、一番の違いは可動域だと説明している。通常のショルダープレスは下ろしてもある位置が限界だが、手の甲を前へ向けることでボトムがそれより下まで降りる。投稿者自身は肩が痛くて通常のプレスができない時期でもこの種目なら続けられたと話し、引き出しとして知っておくとトレーニングを休まずに済むとしている。痛みが続く場合は医療者に相談したい。

斜めの軌道に肘を沿わせる: フォームの注意点は基本的にダンベルショルダープレスと同じで、トップで肩をすくめないことと、常にダンベルの真下に肘が来る位置で動作することの二つを挙げている。横から見ると通常のプレスはほぼ垂直だが、この種目は下ろすとき手が前へ出るぶん斜めの軌道になる。エスカレーターに乗った人のように、斜めの動きに合わせて肘も一緒にスライドさせると安定する。

ひねるタイミングは分けずにつなげる: 回すタイミングは人それぞれで、先に回してから上げても、上げ切ってから回しても間違いではないという立場を取っている。そのうえで投稿者は上げ始めと同時にひねり始め、トップでひねり終わるやり方を採用し、ボトムとトップでちょうど180度の回転になる形が一番しっくりくると話す。動作を2段階に分けず、なめらかにつなげることを優先している。

重量と肘の向きで刺激を変える: 解説では10kgと軽めのダンベルを使い、本番セットではより重いものに持ち替えている。バーベルのプレスのあとの仕上げに入れる場合は、もっと軽くしてストレッチと収縮を丁寧に意識するとよい。軌道が前から上へ入るため肩の前側に張りを感じやすく、肘を横へ広げれば中部にも入るが、ダンベルの移動距離が伸びるぶん扱える重量は下がる。