絵と言葉を組み合わせる

結びつける

言葉だけで持たず、内容に合う図や絵と対にする

どんな技?

覚える中身を言葉だけで抱えず、内容に対応する図と対にして置きます。教材で図と説明文が離れているときは、図の横に説明を書き写して同じ場所で見られるようにします。図は流れ図や表のように中身の関係を写したものに限り、雰囲気だけの写真は足しません。手を動かすのは並べ替えと書き写しの部分だけで、絵の腕は関係しません。図が付いていない教材なら、表に組み直すところから始められます。

なぜ効くのか

図と説明が離れていると、対応する箇所を探して視線を往復させる手間がかかります。近くに置くとその手間が減るので、認知負荷が下がる向きに働くと説明されています。同じ中身が言葉と図の二通りで入るぶん、あとで取り出す手がかりが増えるという見方もあります。逆に中身と関係のない飾りは注意を奪うため、成績が下がるという報告に並びます。

やり方

教材の図を選び、離れている説明文のうち図の部分を指している数語を余白へ書き写します。図1枚につき言葉は3語から5語までにとどめ、文章を丸ごと写しません。講義や音声が使えるなら、図を見ながら耳で聞くようにすると読む負担が分かれます。自分で図を起こすやり方の裏づけは薄いので、そちらは描いて覚えるの範囲で試します。

はまりどころ

メタ分析が扱ったのはあらかじめ図と言葉を近づけた教材で、学習者が自分で絵を足す形の検証はこれより薄いままです。にぎやかにすれば効くわけではなく、内容と無関係な装飾は成績を下げる側に報告されています。図が向く人と言葉が向く人がいるという説は別物で、学習スタイルに合わせるは確かめられていません。見た目を整える作業に流れるとノートを美しく作るに近づきます。

確かめられ方

Ginns が2005年と2006年に出した2本のメタ分析は、音声と図を組み合わせた教材と図と言葉を近くに置いた教材で成績が上がると報告しています。どちらも学ぶ材料はあらかじめ作られた教材で、全体の整理は Mayer が2021年にまとめたマルチメディア学習の枠組みに沿います。逆に Sundararajan と Adesope の2020年のメタ分析では、内容と無関係な装飾が成績を下げていました。

解説動画(海外・英語): Dual Coding - Learning Science in the Classroom/EmpowerEd Teaching

絵は一目で入る: 動画はまず、この考え方は何十年も前からあると断ります。絵を見たり映像を追ったりしたときには頭の中に視覚と空間の下書き板ができ、そこへ入った中身は見た順番に縛られず、あとからどこの部分でも取り出せる。だから一枚の図や一本の映像は、作業記憶の中に丸ごと置いておきやすいと述べます。

言葉は順に並ぶ: いっぽう画面の文字や教科書の文は、入ってきた順に並べて処理されると言います。動画はこれを古いオープンリールやカセットテープにたとえ、録った順にしか戻せない形だと説明します。取り出すときも同じ順序をたどるので、同じ中身でも絵の側ほど効率は良くない、というのが動画の見方です。

二つをつなぐ: この二つは働きが別で、ふだんは別々に動きます。ただし目から入る側と耳から入る側をつなげられたとき、覚え方が変わると動画は言います。長く残るほうへ入りやすくなり、二通りで符号化されているぶん、あとで取り出す処理も軽くなる。だから絵と言葉は切り離さず、一緒に扱うことだと述べます。

削る・切る・そろえる: 教える側への持ち込み方は三つ挙がります。まず要らない中身を削ること。教える身には難しいが、これが認知負荷を下げ、そのぶん処理に回せると言います。次に残りを二つか三つに切り分けて渡すこと。最後に、太字の短い言葉と揃えた配置、そして語に対応する絵を並べ、見たまま処理できる形にすることです。

図に起こす例: 具体例は四つ。要点を拾って一枚の情報図にまとめる、体のしくみや細胞のような複雑な中身を図に分解する、似ている点と違う点を関係を図にする形で並べる、出来事のつながりを年表にする。どれも学ぶ側自身に作らせるのが要で、描いて言葉を書き込む作業そのものが符号化を助ける、という立場で結びます。