具体例を2つ並べる

結びつける

例を1つで止めず、別の場面の例と並べて共通点を言う

どんな技?

ある考え方の例を1つ読んだら、別の場面の例をもう1つ横に置きます。そのうえで、二つに共通している形を一文で書き出します。例を集めるのが目的ではなく、並べて言葉にするところが中身です。自分で例を作れない段階なら、教材に載っている例2つをそのまま比べるところから始められます。書くのは紙の一行で足り、数分で終わります。

なぜ効くのか

例が1つだけだと、頭に残るのはその場面の細部のほうに寄ります。二つを見比べて共通点を述べると、場面から離れた形だけが取り出され、別の問題にも当てはめられたと報告されています。1つの例に要約や図示を足しても同じようにはならず、効いているのは比べて言う作業だと考えられます。場面をまたいで解き方を持ち出せるかどうかは、学びの転移と呼ばれます。

やり方

まず教材の例を1つ選び、分野の違う例をもう1つ探します。次に二つの共通点を一文にして、1、2分で書きます。違っている点も一つ書き添えると、どこまで当てはまるかの線が見えます。日をおいてから思い出す練習で自分の例を作れるかを試すと、身についたかどうかが分かります。例は3つ以上に増やさなくても足り、2つを丁寧に比べるほうが向きます。

はまりどころ

確かめられているのは解き方が別の問題へ移るかで、覚える量が増えるという話ではありません。転移が出たのは共通点を言葉にした条件で、並べて眺めるだけのやり方は確かめられた範囲の外です。二つの例が似すぎていると場面の細部ごと覚えるので、分野を離すほうが向きます。並べると分かりやすくなる感じは、わかりやすさを効き目と取り違えるの入り口でもあります。

確かめられ方

Gick と Holyoak が1983年に報告した実験では、2つの例を比べて共通点を述べた条件で別の問題への転移が生じています。同じ研究では1つの例に要約や図示を足しても転移は起きにくく、扱われた材料は問題解決の課題でした。この技の裏づけはこうした古典的な報告に多くを負っており、資格試験の教材で同じ差が出るかは別に確かめる必要があります。