米は一晩水につけておくとよい?
米は、2時間浸けると吸う量がほぼ頭打ちになります。
言われていること
「前の晩から浸すと芯が残らない」という言い方が、料理書や暮らしの記事で語られます。芯が残ったときの手当てとして、また玄米を浸すときの目安として紹介され、長くつけるほど水を含んでやわらかく炊き上がるという前提が置かれています。置き場所が台所か冷蔵庫かは、書かれていないことが多くあります。
測った結果
吸水は約2時間で飽和し、そこから先に増える量はわずかです。5℃の水は吸い始めが遅く、4時間後の吸水は20℃以上の水をやや上回りました。農林水産省は、長すぎる浸漬は米粒の表層が崩れやすく食味低下の原因になり、夏場は腐敗にも注意が必要と説明します。水に溶け出た糖質やアミノ酸を餌にした浸漬中の細菌増殖が起こる条件になるとの指摘もあります。効果が頭打ちになる側と衛生の側が、同時に立つ説です。
測った人・対象・方法
吸水の飽和は農林水産省の記述、5℃の結果は坂本ら 2015 の1件の報告によります。岐阜県産コシヒカリの精白米30gを5〜50℃の水に5〜240分浸し、浸漬水に出た固形分も含めて吸水率を出しています。衛生の指摘は新潟大学 大坪研一 監修の質疑応答集で、胞子や耐熱性の毒素が残る可能性は皆無ではないという書き方です。何時間からという線は引いていません。
本文に出てくる道具
解説動画
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の解説動画
米の浸水時間によって味は変わるのか。一番美味しい浸水時間は○○分でした。ベストの時間を検証します。
条件をそろえる
前の回の研ぎ方の実験に研ぐ時間が違えば水に浸る時間も変わると指摘が来たことを受け、動画は浸す時間だけを動かす回だと切り出します。米は150gずつ、注ぐ水の量も混ぜる回数もそろえ、吸ったあとで360gになるよう水を足してから、4つを同時に火にかける形にしています。
0分と12時間
比べたのは0分・15分・1時間・12時間の4つで、12時間ぶんは前の晩に店じまいをしたときに仕込んだものです。袋のまま並べると12時間のものはふくらんで白く、1時間は締まって見え、15分は透明感が残っている。火にかける前から見た目に差が出ていることを、動画は先に映します。
伏せて食べる
どれがどれか分からないように器を4つに分け、違いが素人にも分かるかどうかを見る形にします。食べた側は硬い、よく粘る、甘みが強い、と言葉にしながら並べていき、4つを取り違えないくらいの差はその場で出ました。どれを良いと感じるかは人によって割れ、動画も一つに決めていません。
12時間の側
12時間置いたものについて、動画はとてもよく粘ると言い、そこから長く置くほど良いとは限らないという受け取りに変わります。そのうえで、置いているあいだに米の側が変わった可能性や、水の温度でも結果は動くはずという点を自分で条件に足し、次に試すこととして残しました。
15分に落ち着く
話し手は15分がいちばん好みだと言い、浸けていない0分のご飯についても、粒が立っていて良い米に見えると評します。すすめているのは0分と一晩を自分で比べることで、そこなら差が読めるはずだと結びます。長く浸けるほど良いという前提は出てこず、増える量が頭打ちになる話(浸水は2時間で吸水が止まる)とも向きは同じです。
出典
- 公的機関 農林水産省 米の調理特性
- 論文 坂本薫・森井沙衣子・上田眞理子(日本調理科学会誌)(2015) 炊飯における温水浸漬と低温浸漬が米の吸水率に与える影響
- 論文 森井沙衣子(日本調理科学会誌)(2021) 炊飯における浸漬に関する研究
- 論文・英語 Feng T, Li X, Wang L, Zhang Y, Tian X, Tan B(Journal of Cereal Science)(2025) Effects of soaking treatment on the microstructure, gelatinization properties, thermal characteristics and cooking quality of brown rice
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