身近な物を、形と明暗だけで描く。
最初の1枚は、色を選ぶ前に、形と明暗だけで描いてみるとよい。道具は鉛筆1本で足りる。画家の小木曽誠(Painter OGISO)は、初めて絵を描く人へ向けた動画で、特別な画材が無くても100円ショップのクレヨンや新聞のチラシの裏でまず手を動かしてみればよいと話す。紙は、ざらつきの強い画用紙でもなめらかなケント紙でも描けるが、やりやすさは人によって違うと小木曽は話す。自身は、水彩紙のうち細目のものが意外と描きやすいという。
モチーフは、台所にある食材でよい。小木曽は、なすびのような濃い色の物と、玉ねぎのような明るい球体を並べて、明るい点と暗い点を画面全体で比べながら進める方法を実演する。工業製品は形の狂いが目立ちやすく、最初の1枚には向かないとも話す。
光を当てる方向は1つに決める。小木曽は、光源を何個も混ぜると影の形がややこしくなり、見る側には不自然に見えやすいので、光は1つにまとめたほうがいいと話す。モチーフを目を細めて見て、画面でいちばん明るいハイライトの点と、いちばん暗い点を先に探す。次に、輪郭の上下左右の端に点を置き、点をつなぐ形で全体のバランスを確かめてから、初めて濃淡をつける。輪郭は一度で決めず、消しゴムで外側から形を切り直す作業を何度か繰り返す。
濃淡は、柔らかい鉛筆で画面全体を薄く覆うところから始め、少しずつ濃くしていく。いきなり濃い鉛筆で強く押すと、あとで直しにくい。小木曽は、途中で1か所だけ先に濃さを上げて基準をつくり、ほかの場所をそこに合わせていくと話す。いちばん明るい場所は早めに見つけておき、そこだけ塗らずに残すか、濃くなりすぎたら硬い消しゴムで輪郭を立て直し、練り消しゴムでたたいて明るさを持ち上げる。影の側も一様に暗くせず、反射光でわずかに明るくなる場所を見ておく。モチーフの輪郭だけでなく、物が床に接する場所に落ちる影まで描く。床の影を省くと、物が宙に浮いて見える。
鉛筆の代わりに墨を選ぶ道もある。鉛筆のように硬さの違う何本もの鉛筆を買わなくても、水の量だけで濃淡を作れる。ただし紙は、にじみを受け止める和紙のような紙が向き、鉛筆用に選ぶ水彩紙とは別の扱いになる。色を使いたい気持ちが強ければ、アクリル絵の具を白と黒だけで使い、同じ明暗の練習をする手もある。ただし乾きが速く、鉛筆のように少しずつ濃さを重ねる余裕は少ない。鉛筆でいちばん明るい場所を塗らずに残す判断は、水彩で紙の白を塗り残して光をつくる判断と同じ考え方になる。
出典
- 動画 小木曽誠(Painter OGISO) 【初めて絵を描くあなたへ】どんな画材を買えば良いの?など丁寧に教えます!
- 動画 小木曽誠(Painter OGISO) 🔴決定版【初めて絵を描くひとへ!】本当に初心者の人へのデッサン講座






