クローズドセルマット

寝袋・マット

空気を入れずに使う定番マット

どんな道具?

発泡素材そのものでできたマットで、穴が開いても使えて、広げるだけですぐ寝られます。厚みは一から二センチほどと薄く、たたむとかさばりますが、設営も撤収も数秒で終わる手軽さは他のマットにはない魅力です。

選び方

アコーディオン式は広げやすく、ロール式は面が平らで安定します。断熱の目安であるR値は二前後の製品が中心で、夏から秋に向く性能です。冬に使うなら、エアマットの下に重ねて断熱を足す使い方が現実的で経済的です。

使い方のコツ

銀色の面がある製品は銀の面を体側に向けて敷くのが基本です。薄いぶん地面の小石が体に響くので、敷く前にひと通り拾っておきます。テントの外に敷けば座布団やレジャーシートにもなるので、一枚あると使い道がとても広がります。

手入れ・注意

汚れは水拭きで十分です。焚き火の近くに置くと、飛んできた火の粉で簡単に溶けて穴が開きます。保管は折り目に沿ってたたみ、上に重い物を長く載せたままにしないようにすると、へたりにくく厚みが保てます。

解説動画: マット5タイプの比較とクローズドセルの得意・不得意/たろーキャンプ

概要: マットの役割は寝心地の改善と地熱対策の二つ。寝るときに寒さを感じる一番の要因は地面から伝わる冷気で、寝袋は体重で背中側が潰れてしまうためそこを防げない。キャンプ場は夏でも冷えるところが多く、マットはあれば便利な道具ではなくほぼ必須だと位置づけている。

コットとの関係: コットは体を地面から物理的に離せるので寝心地はマットより上だが、生地自体に断熱性はなく距離を稼いでいるだけ。寝心地を良くする意味合いが9割で、防寒はおまけ程度と考えるのが実態で、コットとマットはどちらを買うか迷う関係ではなく、マットを前提にコットを足していく順番が正しいとしている。

クローズドセルの長所: 蛇腹状などに折りたためるタイプで、広げるだけで設営が終わり撤収も一瞬という機動力が最大の武器。空気を使わないのでパンクの心配がなく、焚き火の火の粉で穴が開いてもそのまま使える。重さは300gから400g、価格は2000円台から8000円ほどと軽くて安い。2枚重ねにするときの土台にしやすく、折りたためば座布団代わりにもなる。

短所と向いているスタイル: 厚みがないぶん寝心地は空気系のマットに明確に劣り、腰を痛めやすい人がこれだけで寝るのは厳しい。投稿者も30代からは体が痛くなるようになり、コットとの併用が前提になったという。折りたためるだけで圧縮はできないため、軽い割に場所を取り、バックパックへ外付けするのが一般的。軽さとすぐ使える手軽さを重視する登山や徒歩キャンプに向く。

R値と横幅の見方: R値は断熱性能を表す指標で、2で3シーズン、4でオールシーズン、6を超えると真冬も行けるという感覚。重ねれば足し算でき、R2のマットにR4.2を重ねれば6.2として扱える。もう一つ盲点になりやすいのが横幅で、一般的な50cm前後だと体格のいい男性は仰向けで腕がはみ出す。厚みのある空気系ほど段差が気になるので、60cm前後のワイドサイズも検討したい。

解説動画(海外・英語): Sleeping Pad R-Value: How to use the ASTM Standard and Seasonality Guide/Therm-a-Rest

マットの断熱は「R値」という共通のものさしで測られている: 寝袋の下に敷くマットは、体と冷たい地面のあいだの断熱の壁で、これがあるおかげで熱が逃げず、夜のあいだに体力(カロリー)を削られずに済む。この断熱の強さを表す単位がR値で、素材や構造がどれだけ熱を通しにくいかを示す。R値が高いほど暖かい。メーカー各社は業界団体とASTM Internationalが定めた共通の試験で測っており、同じ規格で試験されたマット同士なら、ブランドが違っても数字を並べて比べられる。試験機はマットを上下の板で挟み、下の板は冷たいまま、上の板は決めた温度を保つのに使ったエネルギー量から断熱性能を計算する。マットを買うときはパッケージにASTM規格で測ったと書いてあるかを見る。地面の温度・湿度・つぶれ具合・地面の種類など変数が多いので、「使用可能温度◯℃」と書くよりR値のほうが科学的な表示になる、という説明。

季節ごとのR値の目安: R値は温度そのものではないので、目安が要る。この動画は寝袋のEN/ISO規格の知見と実地テスト、社内の低温室のデータをもとに次を勧めている。夏と冬のあいだの端境の季節(3シーズン)ならR値2以上。2を下回るものは、穏やかな夏向き。雪の上や寒冷地では最低でも4以上。極寒地・北極圏なら6以上。ただしこれは幅のある目安で、寝ていて暑くなりやすい人はもっと低くてよいし、冷えやすい人は表より高いものを選んだほうがいい。地域と季節の勘所は、現地のガイドやアウトドアショップに聞くのが早い。

重ねると足し算になる。寝袋の表示温度との関係: 寒い時期はマットを重ねればよく、R値は単純に足し算になる。R値2のマットとR値2.3のマットを重ねれば4.3。もう一つ知っておきたいのが寝袋との関係で、寝袋のEN/ISO表示温度は、R値4.8のマットの上で測定されている。つまり同じ寝袋でも、下に敷くマットの断熱が足りなければ表示どおりの温度では使えない。逆に、地面と空気では熱の伝わり方が違うので、条件によっては4.8も要らない。要は自分のマットのR値を把握しておくことが、快適さと安全の分かれ目になる。