オオバン

川と池と水辺

いつ日本にいるか: 一年中いる(留鳥)

黒い体に、白い額板と白い嘴が付きます。泳ぐたびに頭を前後へ振るので、色が読み取れない距離でも、動きのくせで見当がつく水鳥です。

まずここを見る

黒い顔の中で、嘴から額へ続く白い額板が浮き上がります。光が弱くても白は残るので、逆光の水面でもここだけは読めます。体は全身が黒に近い灰黒色で、模様らしい模様がありません。泳ぐときは一漕ぎごとに頭を前後へ振るため、動きだけでも候補が絞れます。上体を低く沈めて泳ぐので、カモのように尻が浮き上がりません。足の水かきは指ごとに分かれた弁足で、カモではなくカイツブリとも別の、クイナの仲間に入ります。

大きさとかたち

水面ではキンクロハジロとほぼ同じ大きさに見え、全長39cm前後です。近縁のバンは全長32cm前後と一回り小さく、並ぶと差が出ます。体は左右から押しつぶしたように細く、正面から見ると薄い作りです。尾は短く、その下に白い部分が入ります。飛ぶには長い助走が要り、水面を蹴りながら走って離水します。飛ぶときは首を伸ばし、足が尾より後ろへ突き出ます。

いつ・どこで会えるか

どの季節にも見られますが、冬に数が大きく増える水鳥です。全国鳥類越冬分布調査(2016-2022)は、1980年代の調査と比べて越冬分布が大幅に広がったことを示し、その要因として湖沼が凍結しなくなったことなどが考えられると述べています。今では公園の池とお堀の水面が黒い群れで埋まる場所もあり、ヒドリガモに混じって岸の芝地へ上がることもあります。

こえ

「キョッ」「クルッ」と短く高い一声を、水面から不意に上げます。連ねずに一声ずつ間を置いて出すので、鳴き交わしというより合図に近い響きです。夕方や夜にも聞こえ、群れが休んでいる時間帯でも声だけが飛びます。近縁のバンは「クルルッ」と濁って長い声を出し、こちらより粘る調子です。カイツブリの震え声とも重ならないため、同じ池でも声で分けられます。

そっくりな鳥との違い

分かれ目はバンとの額板の色です。バンは額板が赤く、嘴の先が黄色で、脇腹に白い破線が並び、足は黄緑色をしています。こちらは額板も嘴も白一色で、体に白い線が入りません。若い個体では色が出そろわず、バンの幼い個体は額板が鈍い褐色になるため、色だけでは決まりません。そのときは脇腹の白い線の有無を足します。バンとオオバンに、二種を並べた見方を置いてあります。