ヒドリガモ

川と池と水辺

いつ日本にいるか: 冬に来る(冬鳥)

赤褐色の頭を、クリーム色の線が縦に割ります。額から頭のてっぺんへ抜けるこの一本があれば、雄をほかのカモと取り違えることはまずありません。

まずここを見る

雄の頭は赤煉瓦のような赤褐色で、その真ん中をクリーム色の細い縦線が額から後ろへ抜けます。頭の色と、この一本の線を組で見ます。線は遠くからでも白い筋として残るため、一羽でも拾えます。体は灰色の細かい波模様で、胸は淡いぶどう色を帯びます。雌は褐色一色に近い姿ですが、嘴が青灰色で先だけ黒い点は雌雄に共通し、連れ合いから性別を追えます。

大きさとかたち

マガモとコガモのちょうど中ほどに収まる大きさで、全長49cm前後です。嘴が短くて幅が狭いのがこの種の形の特徴で、水中の草をすくうより岸の草を噛み切るのに向いた作りをしています。額が丸く盛り上がり首が短いため、頭が大きく見えます。飛ぶと雄は翼の上面に大きな白い部分が出て、暗い背景でも白が抜けます。緑の翼鏡の前に、その白帯が並びます。群れは陸でも水でも密に固まります。

いつ・どこで会えるか

渡ってくるのは10月ごろで、抜けるのは3月から4月です。全国鳥類越冬分布調査(2016-2022)の分布図では、越冬期の記録が海岸から内陸の池まで広く連なる形で示されています。この種は水面に浮かぶだけでなく、岸へ上がって草を食べるため、公園の池とお堀では池の縁の芝地に群れが並びます。園路のすぐ横まで出てくることもあり、近づきすぎると水へ逃げます。

こえ

群れのいる方向は、「ピュー」と高く澄んだ口笛の声が教えます。出すのは雄で、カモの声としては際立って高く、一声ずつ間を置いて上がる調子なので遠い水面からでも届きます。雌は「ガルル」と低く濁る声で、雄とはまったく別の声に聞こえます。芝地で草を食べている群れは声が絶えず、草の上から口笛が聞こえたらこの種を探すという順序が立ちます。コガモの雄の声より、伸びが長く音程が下がります。

そっくりな鳥との違い

よく似るのはアメリカヒドリで、雄の頭が灰白色で、目の後ろに緑の帯が入る点が違います。額から頭頂の線も、こちらのクリーム色に対して白に近い色です。難しいのは両種の交雑した個体が群れに混じることで、頭にうっすら緑の帯が出るのに全体は赤褐色という中間の姿が現れます。この場合はどちらとも決めず、見えた特徴だけを書き留めます。秋の換羽の途中は雄も雌に似るため、さらに分けにくくなります。